【ショートショート】とある夫婦の日常、妻の何かを掛け合わせた生物。
妻は新しい生物を想像するのが好きだ。
小説を毎日2冊読み図書館を
梯子する類稀なる本の虫である。
私は今日も睡眠不足と戦いふわふわしている。
妻が聞いて聞いてモードで迫ってくる。
「ねーねー、新しい動物考えた」
私はあまり聞きたくないが聞いてみた。
「うーん。試しに言ってみて」
妻は子犬のように喜びを目で表現する。
「白イルカと犬をかけて白犬」
なんだろうこのどや顔。
私は答えた。
「それって白い犬だよね」
妻は驚いた顔をした。
「あー確かに白い犬だ」
妻は少し考えた。
「今度は新しい動物、猫と狐をかけて猫狐」
私は答えた。
「それは猫狐だね、特徴は?」
妻は驚きまた考えた。
「猫の顔でキーキー鳴く」
私は答えた。
「なるほど、それは猿だね」
妻は驚きまた考えた。
こんなことを繰り返した。
妻は私を指差し
「ここにいた変な生き物」
とても楽しそうに言った。
妻は掛け合わせに飽きたようだ。
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