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ミニバス審判の心得
バスケットボールの審判はU12(小学生)、U15(中学生)と一定の線引きがあります。
当然ルールは基本的に同じですが、小学生はミニバスルールにより試合を行います。
細かいルールの違いはありますが、ざっと書くと、
バックコートバイオレーションがない
俗にいうバックパスですね。フロントコート、バックコートという概念がミニバスにはないため、本バイオレーションはルール上ありません。14秒ルールはオフェンスリバウンドのみ
通常、スローインでタイマーリセットのシチュエーションでは、フロントコートからスローインで、かつ、タイマーが14秒以下の場合は14秒にリセットしますが、バックコートバイオレーションと同じ理由でフロントコートバックコートという概念がないため、24秒リセットになります。
といった違いがあります。
(その他もろもろ違いがありますが割愛します)
当然、ミニバスの審判員はこのルールの違いを適用し審判するわけですが、実際にはルールブックには気遣いや心構えが必要になります。
1.ファウルの判定
ミニバスもそれ以外も基本的にファウルの判定ルールは同じです。
一切の違いはありません。
ですが、ミニバスにはバスケットボールの正しいルールを理解させるという勝ち負けだけじゃない根本的な考え方があり、中学生以上の試合と比較するとファウルとなる判定は中学生以上と比較して厳しく判定する必要があります。
中学生、高校生と成長するにつれ、当然体が成長し、スキルも身についてくるとちょっとやそっとのコンタクト(接触)ではRSBQ(リズム、スピード、バランス、クイックネス)に影響を与える事が少なくなっていきます。
対してミニバスでは、無茶なスティールや、ディフェンス時におけるオフェンスラインへの誤った入り方による接触(ブロッキング)が頻繁に発生し、簡単にRSBQに影響を与えるため、ルールブックに記載されている通りのシチュエーションが発生した場合はきちんとファウル判定し、細かくファウルを取る必要があります。
これにより選手たちはどんなプレイがファウルとなり、どこまでが許されるのかを判断することができるようになっていきます。
中には中学生と同じように判定する審判員もいますが、小学生の場合、それをやってしまうとプレイが過熱し、ラフプレイにつながる危険性が非常に高くなります。
このことから、ミニバスは中学生以上と比較して多少の接触でもファウルをきちんと取る必要があります。
2.バイオレーションの判定
いくつかあるバイオレーションの中でも、特に以下はミニバスでは厳しい判定が適用されます。
トラベリング(突き出し)
俗にいう「突き出しのトラベリング」です。
軸足を離す前に手からボールを離す必要があるルールです。
正直、全国大会レベルになるとミニバスであっても取られないケースが非常に多いです。理由はわかりません・・・。
小学生はこのルールを理解していない子が多いため、ほとんとの審判員はこの突き出しのトラベリングを非常に注意しています。
特に背の高い子はこの突き出しをやってしまう傾向が非常に強いため、ドライブを仕掛ける際にはまずボールをつかせるよう指導する必要があります。キャリングボール(オーバードリブル)
ドリブル中に掌を上に向けてボールをコントロールする動きを指します。
ポケットに入れているつもりが、掌が完全に天井を向いてしまうケースがあり、この場合イリーガルドリブルとなります。
ですが、これも突き出しのトラベリング同様、全国大会レベルになると取られない傾向にあり、ぶっちゃけBリーグなどのプロリーグではこの動作は頻繁に行われていますが、基本的にバイオレーションを取られる事はありません。(なぜ?)
上記のようなルールにおける違いもありますが、その他ミニバスは小学生であることを考慮し、審判員はケガや暴言などは厳しく判定する必要があります。
ケガをしてもそれを言い出せない子がいたり、
靴紐がほどけている子供が頻繁にいるため目を配ったり、
TO(タイマーやスコア要員)がタイマーを誤ってリセットしたり止まっていなかったり・・・
といったように、ミニバス審判員は非常に注意すべき点が多いです。
安全、安心して試合ができる環境を構築するのは審判員の役目であり、コーチや監督ではありません。
ただファウルやバイオレーションを取ればいいわけではなく、子供たちの成長を念頭にゲームを掌握する必要があります。
特に小学生は、ルールの認識度合い、プレイの熟練度合いに大きな乖離があるケースが珍しくなく、そうした要素も考慮してジャッジする必要があります。
これからミニバスの審判員を実施される方々は、上記のような点を意識してみていただけるとよいかと思います。