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ミニバスの難しさ

ミニバスチームは多くありますが、大きく分けて2つの流儀に分かれていると個人的には考えています。

  1. バスケットボールを正しく理解する事を軸としている指導

  2. ミニバスに囚われずに技術をどんどん伸ばす指導

  3. (番外編)俗にいうエンジョイ。ゆるっとふわっとしたチーム


3つ目はさておき、1と2はどちらも間違っているとは思いませんが、大きくわけてこの2つの流儀があることで、時に揉めたり、意見の食い違いが生まれたり、ゲーム自体が盛り上がらない要因になっていると思います。




1のチーム
「バスケットボールを正しく理解する事を軸としている指導」について


こうしたチームの多くは、「ディフェンスは足だ!」という指導が多く、手を使った技術はあまり教えません。

チームプレーにも重点を置き、1人のエースプレイヤーを生かすプレイをできるだけ含まないように指導します。

その代わり、とびぬけて強いチームではない事が多く、ファウルも少なく退場も稀なチームです。



2のチーム
「ミニバスに囚われずに技術をどんどん伸ばす指導」について


1とは対照的に、スティールもOK、上手な子によるワンマンプレーもOK、ファウルもある程度OK、といったスタイルです。

このチームは秀でた上手な子がいて、その他の子はオフェンス時にあまりプレーに関わらないシーンが多かったりします。

5ファウルで退場することもしばしば。でも攻めの姿勢と評価されお咎めなしだったりすることが多いように思います。さらには審判によって取られる事もあるとよい解釈をしているコーチだったりすることがあります。


良いチームとは?


正直1と2、どちらが良いかと言われても結論が出しづらいです。
恐らく読んでいただいた方は1が良いチームだと判断する方が多いかもしれません。

事実、こんなことがあります。
ミニバスでは俗にいう「突き出しのトラベリング」を取られるシーンが中学校以上のバスケットボールと比較して非常に多いです。

これは、厳密にはトラベリングであるドリブル時にピボットフットを離すよりも先に手からボールを離さなければならないという基本的なルールに則ったものです。

正しいルールを理解させるために、厳しくバイオレーションが取られます。

ですが、逆に全国大会などになるとほぼこの突き出しのトラベリングはバイオレーションを取られません。突き出しだけじゃなく、他のトラベリングもある程度許容されます(当然公言はされていません)。

この事実があるため、2のようなチームはそれを見据えた指導を行います。当然、そのチームの審判もそのようにジャッジします。

ところが、1のようなチームは対照的な指導方針であるため、2のようなチームは指導として間違っていると判断する(否定する)人が多くいます。




ここまでの内容では、1の指導が「あるべき姿」ではないか、と思われると思います。

そしてこの基本的な思想の違いにより、チーム間の仲が悪くなったり、プレー中に子供同士での喧嘩が発生することがあります。

ルールを理解することは大切な事ですが、今後長い目で見てバスケットボールを続けていくうえで、後々不要になる事よりも2寄りの思想に基づいた指導をした方が中学や高校を見据えると有効なのではないか?

との問いに対する答えが私にはありません。

なぜならスポーツである以上、勝ち負けが付きまとうからです。

勝負であることが大前提である対戦協議において、勝つために必要な事を教える立場に立った場合、本当に1に重点を置くのが正しいのか、2のチームのように例えば個人プレーが多くてもチームが勝てたのであれば、負けるよりも良いと考える子もいるのではないか、と考え始めました。

昭和やそれ以前生まれの人たちの多くは、試合でプレーに関わっていなくてもチームが勝てればいい、といった意見に対して違和感を持つ人が多くいるのではないでしょうか。

「負けてもチーム全員で一眼となってプレーしたことに意味がある」と考える人が多いのではないでしょうか。

時代が変わり、今の子供たちは純粋にチームが勝てたのであればそれが正解だと考える子たちもいるようです。

前述したように、勝てるチームを作る事が正解なのか
勝ち負けよりもあくまでチームプレーの実現を追求することが正解なのか
一概に簡単に判断できるものではないのだと気づきました。

ここがミニバスの難しさです。。。


現実

事実、1寄りの負けたチームの子の中では、

  • あの子がもっと出ていたら勝てた

  • あの時あの子があんな事をしなければ勝てた

  • なんであの子が出場するのかわからない

といった声がどうしても出てきます。
1の思想に沿うならば、このような声が出てはなりません。
ですが勝負事です、当然こんな思いは出てきます。

1の思想は理解しながらも、言っている事は2寄りの内容です。

これが現実です。

勝ち負けだけにこだわらず、みんなが仲良く楽しく、過度な差もなくお互いに褒めあい称えあうようなチームが作れると理想的ですが、ミニバスはさらにそこに親の声も影響し、さらに混乱が生じる事も珍しくありません。
(むしろここが大人にとっては一番厄介なポイント)

そして🏀のルールの複雑さや、審判による加減もかなり幅があり、結局意見が合いづらいのも悩ませる要素の一つです。


できるだけ思いやりを持ちながら、勝つことは忘れず、日々成長し合えるような育成はどうすればできるものか・・・

今後も悩むポイントになると思います。。。

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