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【未来に残したい愛知の祭り】 鳥羽神明社の火祭り

写真集に載る祭り、今日紹介するのは、鳥羽神明社の火祭りです。名鉄蒲郡線の三河鳥羽駅から、山側に15分歩いたところに鳥羽神明社はあります。ここで2月に行われる火祭りは、日本一危険な火祭りとして知られます。高さおよそ5mほどのスズミと呼ばれる大松明が2基置かれ、それに火をともし、豪火の中から御神木を2基のどちらが早く取り出すかで豊作豊漁を占う祭りです。トップの写真のとおり、こんなところに人が入って無事なのか?と思う祭りです。

2基のすずみ


祭り当日は禊の儀式を行います。30分ほど歩いて海に出て2月初旬の海に入って身を清めます。


禊が終わり、日も暮れて夜になると、いよいよ火祭りが始まります。

着火した火はあっという間に燃え広がる

炎のついたスズミはあっという間に燃え上がり、豪火に包まれるが、そこに敢然と、猫のような柄の装束に包まれたネコと呼ばれる祭人が素手でスズミを崩しにかかる。もちろん熱いだろうし、火傷もするだろうけど、そんなことはお構いなしとでも言わんばかりに崩す。頻繁に大量の水がかけられ、安全を確保するし、消防も万全の体制で待機している、それでも、人知を超えたところで行われている祭りであることに偽りはない。

ネコと呼ばれる装束に包まれた人が燃え盛る

いよいよスズミが崩れるのも近い

炎の勢いはさらに強まり、いよいよスズミが崩れるのも近いと感じた次の瞬間、スズミが上から崩れ落ちた。見物人から悲鳴が上がる。何が起きたのかも分からず夢中でシャッターを切っていたが、後からカメラを確認すると、そこには壮絶な瞬間が写っていた。背中だけが確認できるが、炎の中に頭が入ってしまっている。断っておくが、事故は起きていない。1200年も続いてきた歴史の積み重ねだろうか、安全を確保する知恵は随所に施されているのだろう。

スズミが崩れた瞬間。見物人から悲鳴があがる。


水をかけ続け炎から守る


祭りが終わったあと

日本一危険な火祭りと呼ばれることに、納得がいく祭りでした。そして、この祭りを見たあと、人間はなぜ祭りをするのか?という問いが必ず自分の中に出てくる。祭りはそれほどまでに崇高なものであったということだが、今よりもまったく自然に抗えない人が、なんとかして自然を動かす神様にコミュニケーションを図ろうと考えたご先祖の知恵が祭りだったのだろうと思います。

現在、制作中の愛知の祭り写真集は2023年5月の出版を予定しています。そして10月下旬から、この写真集を全小中学校に寄付するクラウドファンディングを企画しております。こちらのFBページで進捗を随時発信します。

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おことわり
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