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【未来に残したい愛知の祭り】 上野間祭り

毎日、写真集に掲載する祭りを紹介していきます。今回は、美浜町上野間の祭り。あまり知られていない祭りでも、これは!と思うものを紹介します。上野間の祭りは、氏神の野間神社が小高い丘の上にあるので、そこへ山車を引き上げることになります。で、何が見どころなのかといえば・・・重くて大きな山車を引き上げるために何本も縄をかけて大勢で引っ張り上げる場面。大勢の氏子が力をあわせて引っ張り上げる様子は壮観です。

山車を引き上げる様子

現代社会において、大きなものを山の上に運ぶ作業は機械や大型車の仕事です。人力で行うには、相応の理由が必要ですが、祭りならば納得です。祭りは氏神様が年に一度、里に降りてくるのを氏子総出で迎える行事です。そのために氏子が力を合わせて神様を迎える山車を山の上に引き上げるのですから、神様も喜ぶこと間違いなしということです。
で、私が見てほしいのは、視点がちょっと違います。例えば、日本のお城の石垣とか、エジプトのピラミッドなど、世界にはどうやって大きな石をここまで運んだのかと思う建造物がいっぱいあります。それが、現代においても見ることができるのがこういった祭りです。ピラミッドなどは最新の研究で、作業に従事したのは奴隷ではなく、人民がすすんで作業をしていたということが分かっています。祭りの山車を引き上げる氏子となんだか似ていると思いませんか。たぶん、ピラミッドを作るところも、お城を作るために山の上に石を運ぶのも、国の誇りを作るため、氏神様を迎えるというのと似た矜持があったのではないかと思えるのです。ならば、この眼前に広がる光景は何千年の時を超えて、人類が行ってきた大きなものを作りあげる作業をまさに今、人々が同じ矜持で力を合わせて行っていると見ることもできるでしょう。山車の坂上げの話がピラミッドまで飛んでしまいましたが、私の視点はそこにあります。

今度はガラッと変わって、からくり人形浄瑠璃。複数のからくり人形をアーム型の装置の上に載せてダイナミックに動かすことで場面転換を行えるようにして、からくり人形で浄瑠璃を行うようにしたものです。このような形のからくり人形浄瑠璃は、愛知県では他に上野間の隣の常滑市小鈴谷の祭りと知立まつりの西町が行っていますが、とても珍しいものです。

今回はマニアしか知らない上野間祭りの魅力について書きました。なお、これはあくまで写真集に掲載する祭りを紹介するもので、これがそのまま写真集に載るわけではありません。また次回をお楽しみに。

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