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かくれんぼの達人
"あたし かくれんぼが上手だからさ 誰も見つけてはくれないのよ"
"あたし 生きてるよって言いたいだけなのに"
クリープハイプに加入してすぐの頃の彼は、小さな小さなライブハウスのステージでバイオリンを弾きながらこんな歌詞を歌っていた。厳密には当時掛け持ちしていたバンドのメンバーとしての彼だけど。
その歌声はあまりにも切実で、歌声というより悲痛な叫び声にも聞こえた。
当時の彼のことは勿論知らない。しかし、彼が更新していたSNSを見ると、なんとなく思考や生活がイメージできる。
きっと彼は当時世間に対して絶望に近い感情を持っていたのだろう。これは憶測にしか過ぎないが、ほぼ確実にプラスな感情や思考は持ってないはずだ。
そんな彼は15年経った今、当時とは比べ物にならないくらい大きなステージに立っている。ましてやそのとんでもなく大きなステージで自分の作った曲をのびのびと歌っている。
かくれんぼが上手だった彼はもう居ない。観客全員が彼の姿に釘付けになっている。
その光景を見て私は思わず感極まってしまった。
一昨年、ゲストとして出演していたトークショーで放った彼の何気ない一言が今でも忘れられない。
『これからも生きていく気満々なので…』
私はそんな彼の生き様をこれからも見続けていきたいし、応援したい。そう思っている。