#72 ついていい嘘(ノンフィクション)

これは、中学の同級生が少年の主張で発表していた実話である。
※記憶が確かでは無い為、多少事実と異なる場合があります。

皆さんは嘘をついてはいけないものと思っているでしょう。僕もこの事があるまで嘘はついてはいけないものしか存在しないと思っていた。しかし、私はついていい嘘は存在すると思っている。僕が小学生の時にお母さんがこの世を去ってしまった。実は幼い頃からお母さんは体調に優れない事があった。しかし、実は病気だったというのは亡くなった後に知ることになる。小学生の頃、病院で生活する事が増え、病院へ行って病状を確認する度に”お母さんは大丈夫だから”と言っていたので、正直心配する事なく、毎回お母さんと面会する日々を送っていた。しかし、お母さんが亡くなった後に実は”体調は良くなかった”という嘘をついていた事が判明する。亡くなった後はしばらくなぜ嘘をついていたのか?それを考える日々が続いていた。お父さんに「どうしてお母さんは病院であの時、嘘をついていたのか?」を聞くと、お父さんは「僕は母さんが病気であまり長くないという事を知らされていたし、母さんの口からも聞いていた。だけどな、𓏸𓏸には私の病気の事で心配して欲しくないからどうか言わないで欲しい為に嘘をついていた」というものである。その事をお父さんの口から聞いた彼は、病院へ行く度にお母さんが毎回息子を心配させない為につき続けていたついていた嘘がこの世にあるのか……。と納得したと話していた。

その少年の主張を全校生徒の前で伝えた彼は達者な話術と本当に伝えたい実話であった事から市大会を勝ち抜き、関東大会へと駒を進めるほどを功績を出した。

自分もこの少年の主張以降、「嘘」について考える事がある。ついてはいけない嘘と誰かを傷つけないために仕方なくついてしまう嘘。

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