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2021年10月18日週 積ん読20年(半村良『乂丫伝説』)とSFの古い血

10月18日から10月24日までの読書に関する日記・備忘・そのほか。今回は短い。

10月の頭辺りのこと、早起きしてもそもそしていたら床に積んだ書籍タワー或いはツリーから一冊まろび出てきた。半村良の乂丫ガイア伝説』

奥付を見ると1999年3月20日初版。なんと積ん読20年。ぼやぼや積読している間に著者はこの世からいなくなってしまった。

「これは読めということだな」と思って読みはじめたのは良いが、なんとなく気が乗らず1日数ページのペースでようやく今週読み終わったところだ。

小さな庶民の生活に起こる些細なさざなみが国家規模、世界規模の話に膨らんでいく懐かしの半村節。さすが伝奇SFの開拓者だ。生命が溢れる弱肉強食の世界・地球は『妖星伝』を思わせる。

事実に嘘を織り込んでいく手際の良さは自称〈嘘屋〉の名に恥じない熟練の技。

でもそれだけに過去の自分作品を再生産しているように読めてしまう。

多くを語ると腐すことになりそうなのでここで止めておく。

全80巻をうたいムー大陸5000年史を描こうとした未完の大作『太陽の世界』は、最後まで読みたかったなぁ。

そんなこんなで、少しSFの古い血を呼び起こされた週だった。

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