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別府大分毎日マラソン2025:失敗の本質
市民ランナーの憧れの舞台である別府大分毎日マラソン2025に初参加した。初めてテーパリングし、1週間前の10kmタイムトライアルでは4:30/kmが余裕があり、スマホを持たずに走ったので220g減だり、体調も良く、コースもほぼフラット、気温も11℃と過去最高の状態だったのでPBはできると思い試合に臨んだが、結果は40kmの関門で収監されてDNF(Do Not Finish)。戸田らの日本軍の失敗に関する名著「失敗の本質」に倣って、別大での敗因を考えてみたい。
目 標
ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授の記録を目標に練習してきた。昨年の別大で山中教授が3:21:11の自己ベストを更新されたので、それ以上のタイム、具体的には3時間20分切りを目標とした。今回の結果を見ると、この目標が実力以上に高かったと思う。
戦 術
過去23回のレース経験からネガティブスプリットで3時間20分切りはできないと思ったので、現実的な、気分はイーブンペースで実際は表1のペース配分で走る予定だったが。。。
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現実のペース
目標とPBを出した「ふくい桜マラソン2024」と「別府大分マラソン2025」の実際のペースを表2に示す。
これを見ると、平均ペースでは初めの1kmまで以外では全て「ふくいマラソン」が「別大」より早く、特に30km以降は「別大」が30秒以上ペースを落としていることがわかる。これは30km以降、両足のふくらはぎが攣って満足に走れなかったことによる。
タイムでは同様に15km地点までは1分以内の差であったが、それ以降30kmまでは5分程度の遅れ、それ以降は10分の遅れになりDNFになってしまった。 このデータを見る限り、別大が福井よりレース前半で飛ばしたというより、当日の実力より飛ばしたということだと思う。
つまり、実力以上の目標タイムを設定したためだと考えられる。
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失敗の本質
戸田良一らの大東亜戦争での日本軍の失敗を研究した名著「失敗の本質」(ダイアモンド社)に倣って、別大の失敗の本質を考えてみたい。ChatGPTに日本軍の敗因をマラソンに例えてもらうと下記のようになる。原因だと思われる項目に〇印をつけた。
× 戦略・戦術の欠如 → レースプランなし
該当せず。レースプランを詳細に決めた。
〇 情報軽視と状況判断の誤り → 自分の実力やコンディションを無視
該当した。直前の練習データや体調を無視し、実力以上の無理なペースで走ったと思う。
× 精神主義の過信 → 「根性で乗り切れる」という誤った思い込み
該当せず。どちらかというと根性はないと思う。。。
× 組織文化の問題 → コーチや仲間のアドバイスを無視
該当せず。ランニングクラブの経験者を大いに参考にしている。
× 官僚主義とセクショナリズム → チーム内の連携不足
該当せず。チーム内の練習メニューのとおりにトレーニングを実施している。
× 兵站(ロジスティクス)の軽視 → 補給戦略の失敗
該当せず。栄養補給は普段のレース以上に細目に実施した。特に脚攣り対策にミネラル(塩熱サプリ)やコムレケアなどを通常より多く摂取したが効果なし。
△ 戦訓の学習不足 → 過去の失敗から学ばない
やや該当したと思う。今回の目的は3時間20分を切ることだけにしたので、オーバーペースになっていたと思う。
× 作戦の成功基準の不明確さ → 目的が曖昧
該当せず。今回は目的が明確すぎたので、それに固執してしまいDNFになってしまった。
〇 過去の成功体験への固執 → 古いやり方にしがみつく
大いに該当。1年前の自己ベストの記録にこだわり、現在の実力を考えずに無謀なペースで突っ込んでいたのかもしれない。
〇 撤退戦略の欠如 → リタイアの判断が遅れる
該当した。途中でペースを落とすべきなのに、意地を張って突っ込み、後半ボロボロになりDNFした。今回はプランBを考えなかった。つまり、玉砕覚悟だったのだと思う。
まとめ
失敗の本質を要約すると以下の2点になる。これを肝に銘じ東京マラソンに参戦しよう。
状況判断の誤り → 自分の実力やコンディションを無視
撤退戦略の欠如 → 途中でペースを落とすべきなのに、意地を張って突っ込みDNFになった。