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初めてのペーサー体験:金沢マラソン2024で感じた新たなマラソンの魅力

先日、金沢マラソン2024にて4時間15分のペーサーを務める機会を得た。フルマラソンは19回目でペーサーとしての経験はこれが初めてであり、少し不安もあったが、結果として遣り甲斐のあるとても貴重な体験をした。普段ランナーとして参加しているときとはまったく異なる視点からレースに関わることができ、改めてマラソンの魅力を実感した。
 今回、4時間15分ペースのランナーとして4名が任命されていたが、レースが進むにつれ、2名が途中で体調不良やトイレなどで脱落していった。残されたのは私を含めてあと2名。この状況に「自分は脱落するわけにはいかない」というプレッシャーがかかり、責任感を持って走れた。
 ペーサーの役割は、他のランナーが目標とするタイムでゴールできるようにペースを維持し、道中で彼らを励まし続けることである。今回の4時間15分というタイムは、単純に考えると6分2秒/kmで走れば良いのだが、グロスタイムなので、Hブロックからスタート地点までにかかった時間分だけ早く走らなければならない。金沢市からは6分の予定と連絡があったが、浜辺美波効果か?7分13秒もかかった。さらに、水分補給だけのエイドでは8秒のロスタイム、給食エイドでは40秒のロスタイムを計算に入れていたので、前半は5分45秒/km、後半は5分47秒/kmのペースで走った。多くのランナーは4時間15分のペーサーにしては速いと思ったと思う。
 ペーサーは単に一定のペースで走るだけでなく、ランナーたちに声をかけ、励ますことも重要な役割である。特に35kmを過ぎると、多くのランナーが疲労を感じ、足取りも重くなってくる。このタイミングで「あと少しです」「ここまで頑張ったから、ゴールまで行きましょう!」と声をかけると、多くのランナーが頷き、あるいは笑顔を返してくれる。その瞬間、ペーサーをやって良かったと思った。
 また、普段自分が走っているときは朦朧としているので見過ごしてしまう風景や、沿道の応援にも目を向けることができた。金沢の美しい街並みや沿道の温かく力強い応援を、改めて実感した。これほど多くの人がランナーを応援してくれている様子を見ると、マラソンは単なる個人のスポーツではなく、地域や観客と一体となった「お祭り」であると感じる。
 ゴールに近づくと、ランナーたちが疲労のピークに達していることが分かる。そうした場面で、最後の力を振り絞りながら走るランナーに「もう少しなので4時間15分切れますよ!」などと声をかけた。さらに、ゴール手前で4時間15分ギリギリまでランナーを待って鼓舞し続け、僕は4時間14分59秒、もう一人のペーサーは4時間15分00秒でゴールした。
 ゴール後は、健闘を称えあい握手をしたり、「ありがとう」「おかげで自己ベストを更新しました」「一緒に写真を撮ってください」といった言葉にはうるっときた。
 自分の記録を追い求めるランとは異なり、他のランナーが目標を達成するためにサポートする経験は非常に意義深く、やりがいがあった。今後も機会があれば、また、ペーサーをやりたいと思う。

金沢マラソン2024記録証

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