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ニンジャラクシー・ウォーズ

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邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
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2021年11月の記事一覧

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【ア・プリンセス・オブ・アンダーグラウンド】

【#3】←◆#4◆「アラ、もっと召し上がれ」「もう食べられないよ。ゴチソウサマ」ハヤトは腹をさすりながら、ヒミメ王女が勧める地底ピーコックの丸焼きを固辞した。「それに、もうそろそろ行かなくちゃ。きっと仲間が心配してる」  カン王は公務のため既に退席し、宴はティーンエイジャーの気兼ねない食事会の様相を呈していた。「だったら、あとで地上に連れて行ってあげる」「あの絶壁を越えて?」「中腹に秘密の抜け道があるんだ」「ナルホド。ケン殿下はそれで地上にお出ましか」「へへへ」王子は野生児

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【ア・プリンセス・オブ・アンダーグラウンド】

【#2】←◆#3◆「思った通りだ!」ゴウンゴウンゴウン……ベルダ上空を航行するガバナス帝国旗艦「グラン・ガバナス」のブリッジで、コーガー団長はマントを翻して叫んだ。「どういう意味だ、兄者」帰還したイーガーが訝しむ。「まるであのゴースト山脈に何かあると知っていたかのような口ぶりだぜ」 「皇帝陛下の命により、惑星ベルダ誕生から今日までの歴史を調べた。不審な空白があったのだ!」コーガーはギョロリと弟を睨んだ。「空白?」「消された歴史だ! そこにモンゴー一族の地底王国の秘密がある!

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【ア・プリンセス・オブ・アンダーグラウンド】

【#1】←◆#2◆ ゴンゴンゴンゴン……イオン・エンジンの垂直噴射で、リアベ号はそろそろと上昇を開始した。  ぐらつくコックピットで操縦桿を握るのはリュウとバルー。「慎重にな。エンジンブローした瞬間、俺達ゃ全員オダブツだ。こういう時は」「ホットなベイブを扱うように、だろ? 百万回聞いたぜ」ピボッ。二人の背後で万能ドロイド・トントが頭部を回転させた。『ホットナ、ベイブトハ、ナンダ』「僕に聞くなよ」ハヤトはやや顔を赤らめて囁いた。 「ン?」リュウがUNIXモニタを覗き込んだ。

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【ア・プリンセス・オブ・アンダーグラウンド】

◆#1◆ 霧の向こうに揺れる二つの光点は、やがてヘッドライトに変じた。エンジン音と共に無骨なシルエットが浮かび上がる。星間帝国ガバナスの紋章を側面にペイントした宇宙装甲車は、おぼつかなげに荒野を迷走したあげく……CLAAASH! 砲塔めいた巨大建造物の防御壁に激突、煙を吐いて停止した。  ガゴンプシュー……防御壁に設けられた鋼鉄ゲートが開き始めた。僅かな隙間から貴族風ウィッグ将官の肥満体がにじり出るや否や、その後からフルフェイスメンポのニンジャトルーパーが続々と現れ、ドタ