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ニンジャラクシー・ウォーズ

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邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
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2021年5月の記事一覧

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【ファースト・エピソード後編:リアベノーツ・リライズ】

【承前】← 5 スリケン・ショウダウン 謎の宇宙美女・ソフィアとハヤトの邂逅から、数日が経過していた。  第15太陽系、第3惑星ベルダの炎天下。鉱山コロニーの中央広場に集められた数百人の住民は、重苦しい沈黙に沈んでいた。ある者は暗い顔を伏せ、またある者は怒りに歯を食い縛る。親達は子供の目を塞ぎ、眼前の悲惨な光景を見せまいとした。 「「アイエエエエ!」」「ヤメテ! 殺さないで!」「何かの間違いです!」「俺達が何をしたって言うんだ!」  後ろ手に縛られて泣き叫ぶ男は計4人。ガ

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【ファースト・エピソード前編:ダーク・カンオケ・バトルシップ】

【#3】← 4 ベイン・オブ・ガバナス  宇宙貨物船のコックピットに、重苦しいアトモスフィアが漂っていた。  船は既にアナリスを離れ、第1惑星シータへの途上にあった。「マジかよ」リュウは操縦桿を握りながら、何度目かの同じセリフを呟いた。「ゲン・シン=センセイが、あんなサンシタに殺られるタマかよ」 「アノ、リュウ=サン」ハヤトが思い詰めた顔で口を開いた。「良かったら……僕に修行をつけてくれないかな。ゲンニンジャ・クランの修業を」 「ア? 何だいきなり」「僕がオヤジから受け

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【ファースト・エピソード前編:ダーク・カンオケ・バトルシップ】

【#2】← 3 ヒズ・サン・アンド・ヒズ・アプレンティス 「ハァーッ……ハァーッ……ハァーッ……」  宇宙暖炉の奥に隠されたシークレット・パスウェイを駆け、ゲン・ハヤトは実家に程近い岩山の中腹に抜け出していた。  眼下に火柱が噴き上がる。超光速通信機に膨大なエネルギーを供給するジェネレーターが、実家の真下に広がる地下ドージョー空間もろとも自爆したのだ。敵を利する手掛かりなど微塵も残るまい。無論、家族の亡骸も。 「オヤジ……オフクロ……リオ……」  ハヤトは目を閉じて、

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【ファースト・エピソード前編:ダーク・カンオケ・バトルシップ】

【#1】← 2 デス・ハイク・インヘリター 第15太陽系首都、アナリス中央都市。古式ゆかしい20世紀コンクリートジャングル様式の建造物がひしめく、星系随一のメガロシティである。  地球連盟による宇宙植民政策の頓挫から数十年を経てなお、この街の活況は続いていた。事実上の棄民となった人々の、それは意地でもあった。  だが今や、長方形の巨大なシルエットがその上空を黒々と覆い尽くしつつあった。ゴウンゴウンゴウン……全長数宇宙キロに及ぶカンオケめいた巨艦が降下する。ガバナス帝国ニン

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【ファースト・エピソード前編:ダーク・カンオケ・バトルシップ】

1 ジ・エンパイア・ストライクス・バック 宇宙が天井で覆われたかの如き光景だった。  ゴウンゴウンゴウン……漆黒のメガストラクチャーがエテルを掻き分けながら突き進む。無限の大空間の深奥へ流れ去るは、宇宙コンビナートあるいは乱開発都市めいた表面構造物。あまりの複雑さにスケール感が狂い、プラスチック・モデル・キットの部品を敷き詰めたようにも見える。  地球連盟第15太陽系の主星・グローラーの光に照らされ、“それ”は宇宙戦艦としての全貌を浮かび上がらせた。イオン・エンジン群の凶