映画を観た記録190 2024年10月5日 リドリー・スコット『ゲティ家の身代金』
Amazon Prime Videoでリドリー・スコット『ゲティ家の身代金』を観る。
石油王・ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐され、富豪であり、ケチという典型的な守銭奴のゲティは身代金を支払いたくない。
狂言誘拐とまで彼は信じる。
しかし、一転、孫がマフィアに売られたとなり、ドラマが急展開する…
ドラマはひねりがあり面白い。しかし、撮影は悪くはないのだが、いかにも視覚優先というような映像である。
ジャン・ポール・ゲティを演じたクリストファー・プラマーは70年にも及ぶキャリアの持ち主である。
ジャン・ポール・ゲティそのものの姿に似ていなくもない。
そして、本作品で気づいたが、映画音楽でいつから歌声付きがドラマの展開中に流れるようになったのか。古典ハリウッドにせよ、日本、フランス、イタリアの古典時代にはそのようなことはなかった。しかし、本作品もそうだが、歌声付きの音楽が流れて、私は面食らった。会話を聞いているのに(というか字幕を追っているのだが)ゾンビーズの「2人のシーズン」が流れてきて、会話がわからなくなってしまうではないかとさえ感じた。
タランティーノもそうだが、この映画監督も歌声付きの音楽をドラマのバックに使う。そういう使い方はやめてもらいたい。古典映画のように、インストゥルメンタルという方法にしてほしい。
映像が視覚優先と書いたが、オープニング、1973年のイタリアのある街角を捉える画面から始まるが、最初はモノクロで、徐々にカラーにするという手法にしているが、そういう方法が視覚優先であり、なんら面白くもなんともない。
本作品は、コスチュームが良い。マフィアが『ゴッド・ファーザー』のような嘘くさいコスチュームではない。それは良い。
とはいえ、今どき映画の一つにすぎない。