映画を観た記憶37 2024年2月10日   ロバート・アルドリッチ『合衆国最後の日』

Amazon Prime Videoでロバート・アルドリッチ『合衆国最後の日』を観る。
エンディング音楽がビリー・プレストンが歌う歌というのが味がある。
バート・ランカスター演じるベトナム戦争帰還兵が冤罪で刑務所に収監され、仲間と脱獄し、核兵器基地を占拠し、国家を揺さぶる映画である。脱獄したことは説明セリフである。バート・ランカスター演じるデルは、核兵器を発射しない条件として四つの要求をする。一つが1千万ドル要求。一つがエアフォースワンで好きな国へ国外逃亡できる権利。一つは、ベトナム戦争に関する機密文書の公開であり、そして四つ目が大統領の人質である。
国家とバート・ランカスター演じる立てこもり犯とその仲間との攻防を描く。
画面が二分割、四分割するのは見づらいのであるが、当時の試みでは斬新だったのだろう。
最終的には、狙撃犯が立てこもり犯を人質にした大統領とともに射殺してしまう。大統領まで死んでしまうところが、この映画が優れていることを表現する。日本だと、『名探偵コナン』という愚かなアニメが国家権力を英雄的に描くという詐欺がされるが、アルドリッチは、そんなことはしない。国家首脳も死んで当たり前なのだ。
アルドリッチのアイロニカルな作品である。
こんな映画を作ることができる時点でハリウッドの偉大さが伝わってくる。
日本なんて、所詮、戦争賛美のバカ特攻映画ですからね。差を感じる。

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