映画を観た記録111 2024年6月30日 ナディーン・ラバキ―『私たちはどこにいくの?』
Amazon Prime Videoでナディーン・ラバキ『私たちはどこに行くの?』を観る。
物語はレバノンのある村。長い努力を経て、イスラム教とキリスト教の対立が解消し、共存を迎えたかのように見えた。
しかし、
男たちの不満はくすぶっている。
争いに発展しないよう、女たちは、宗教を越えて団結し、争いを、アレコレの奇策により止めようとする。
つまりはアリストファネスの『女の平和』である。
『女の平和』はアテナイとスパルタの戦いを止めるために両都市の女たちはセックスストライキをする。
本作品もまたストリッパーを呼んで、男たちの関心を争いから目を向けさせる。
ストリッパーが舞台で踊る前に、男たちは、ナディーン・ラバキ―監督が演じるアマルの店に、キリスト教、イスラム教の両方の司祭から集められ、大麻入りの食事を食べ、穏やかになり、ストリッパーを観る。その間に、女性たちは、銃の隠し場所を探り当て、全て捨ててしまう。
そして、翌日、女性たちは、キリスト教の女性がイスラム教へ、イスラム教の女性がキリスト教へと演技する。
本作品を観ると、沈黙はなく、とにかく、よくしゃべり、悪口の言い合いだったり、とにかく、沈黙は美ということはない。
その言い合いが面白い。
監督はレバノンの女性監督ナディーン・ラバキ―である。
ポジティブ、力強い、平和主義の傑作である。