映画を観た記録47 2024年2月18日    フォルカー・シュレンドルフ『ブリキの太鼓』

Amazon Prime Videoでフォルカー・シュレンドルフ『ブリキの太鼓』を観る。

主人公オスカルは、階段で転げ落ちてしまい、からだの成長が3歳で止まってしまう。そのオスカルの視点でナチスが台頭し、戦争が集結したあとまでの自由都市ダンツィヒの運命を描く。オスカルはブリキの太鼓を手放せなくなる。

オスカルはカシュガイ人という設定である。カシュガイ人を初めて知ったので、wikipediaで調べてみた。11世紀から12世紀にかけて中央アジアからイランへ移住したオグズ系の民族ということである。

映画前半のオスカルの母といとこのヤンとの燃え上がるようなセックスシーンがとても鮮烈である。ヤンは、母アグネスが来るのも待たずに、ズボンを脱いでおり、下半身もろだし状態、アグネスは、着ているワンピースから脱ぐのではなく、パンティーから脱ぎ、ベッドイン、とても激しいセックスである。そんなにしたかったんか?この激しいセックスをしたヤンは、ナチスドイツが攻めてきて、ポーランドの郵便局員であったが、郵便局が破壊されていくのと同時に殺される。アグネスは魚ばかり食べる過食症になってしまい、死んでしまう。

母アグネスは、夫のマチェレートと仲が悪い。マチェレートはナチス党員でもある。

映画そのものは、1899年、祖母がジャガイモ畑を耕していると、放火魔が逃げてきて、その放火魔を4枚履いているスカートで警察から匿うところから始まる。話は逸れるが、1895年にエンゲルスが死亡している、その4年後が始まりでそのまま第一次世界大戦、ナチスドイツ占領、第二次世界大戦終結、と続く。20世紀は19世紀の地続きでもあったのである。

ユダヤの玩具商の名前はマルクスと呼ぶ。マルクスはユダヤ人の名前に多いのか。

修道女がナチスドイツが拠点としている海岸の立ち入り禁止区域に入り、伍長は、修道女だから、一安心と考えていたら、大尉が、お前の目は節穴かと攻めてきて、修道女を殺すように命じる。修道女は機関砲で殺されてしまう。そして、天国へ召される。天国へ召されるシーンがよかった。

ナチス・ドイツを糾弾しているのでもない。

描かれているのは、ナチス・ドイツに翻弄される自由都市ダンツィヒである。

マチェレートはソ連軍に殺される。ソ連軍が隠れていたマチェレートの雑貨店の地下倉庫に入ってくる。ソ連軍兵士は、女性をみつけるやいなやレイプである。ソ連軍兵士はとても狂暴というのは欧州でもその認識だったのか。

戦争終結し、亡くなったマチェレートの雑貨店は、マチェレートの二番目の奥さんへ債権が譲ったということが、アウシュビッツで家族を失ったユダヤ商人から告げられる。

オスカルは一時期、小人の旅芸人とともにナチスドイツの慰安芝居などもしている。オスカルは叫ぶとガラスが割れてしまう超能力ももっているのである。

オスカルは、マチェレートと第二の奥さんとの間にできた子どもが投げた石が偶然、頭にあたり、一命はとりとめたが、なぜか、そこからからだが成長しだしてくるのである。

原作がとても気になる。読んでみたくなった。

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