映画を観た記録139 2024年8月3日 ドゥニ・ヴィルヌーブ『プリズナーズ』
Amazon Prime Videoでドゥニ・ヴィルヌーブ『プリズナーズ』を観る。
予想もつかない展開、その結末。「このミステリーがすごい!」でベストワンに選ばれそうなドラマである。
ドゥニ・ヴィルヌーブは、長回しのようなことはせず、積極的に映像をドラマに奉仕していく。アングル、構図、カット割りなどすべてにわたってそうである。基本的にはアクション映画を重厚的に作る映画監督だと私は見た。レバノン紛争を舞台にした『灼熱の魂』、リドリー・スコットの『ブレードランナー』のリメイクである『ブレードランナー2049』、麻薬カルテルと、カルテルに家族を殺された元・検事の戦いを描く『ボーダーライン』、フランク・ハーバート原作のSF作品『DUNE 砂の惑星』などなど、アクション映画が重厚に組み立てられ、静謐さが加わり、独特の作品世界を形作っている。
現在の映画作家の中では最も天才に近い作家であると私は見ている。
スケールが壮大でもある。
日本映画のような「私小説的いじいじドラマ」の対極にある、まさに映画のための映画が、ヴィル・ヴィルヌーブ映画である。