映画を観た記録100 2024年6月9日    溝口健二『祇園の姉妹』

Amazon Prime Videoで溝口健二『祇園の姉妹』を観る。

溝口健二の映画を観ると、フランスのヌーヴェルバーグ、特にゴダールとトリュフォーが影響を受けたかわかる。

本作品は、なんといっても、山田五十鈴演じるおもちゃである。山田五十鈴演じるおもちゃの最初の登場が下着姿のまま、あくびをして現れる。この登場に絶対にフランスの若き映画人たちも驚いたに違いない。

溝口健二は映画を作っているのである。それ以上に彼は「現実」を作っている。

それにしても、1936年、天皇機関説を提唱した美濃部達吉が右翼に襲撃される時代に、山田五十鈴演じるおもちゃが男に反旗を翻すような女性像を描く、溝口健二と依田義賢のコンビは恐ろしい。

そして路地の風景、夜景、横移動、円タクの車窓から流れる風景、風景を横移動して車の移動を表す撮影など、三木稔の撮影は素晴らしい。

凄い作品である。

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