映画を観た記録188 2024年9月29日    ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ローラ』

Amazon Prime Videoでライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ローラ』を観る。
本作は、堅物の役人局長がある自治体に新しく赴任し、そこで、お遊びで手にキスしてきた娼婦ローラに知らずと恋に落ちるというとても切ないメロドラマです。
その娼婦は、その街を支配する建設経営者の娼婦であり、その建設経営者が運営する売春宿で歌も歌っている。その姿を見た局長は男泣きに泣くのである。実に切ないドラマである。
堅物局長は、建設業者に娼婦を買え、と言われ、男泣きに泣きながらワインの瓶をラッパ飲みする。切なすぎる。
その自治体にバクーニン主義者の職員が勤務し、売春宿でドラマーとしても勤務している。
階級闘争の側面もある。
娼婦に恋に落ちた堅物役人と階級闘争が合体したドラマなどあってよいものか。凄すぎる設定である。
頭が固い日本の映画人にはとてもできない映画でもある。というかブルジョワ売文業者の淀川教と蓮實教に染まりきった日本の映画人にはこんな作品ができるはずがない。
奇妙な設定である。
全体的に人工的な色彩で眩惑させるような画面でもある。
大人が味わいながら観られる映画である。

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