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ハイブリッドワークで変わる健康経営スタイル(その1/4)


■『ハイブリッドワーク』とは

『ハイブリッドワーク』は、従来のオフィスでの勤務とリモートワーク(遠隔勤務)を組み合わせた新しい働き方を指します。具体的には、週に数日オフィスに出て働き、残りの日は自宅やカフェ、コワーキングスペースなどでのリモートワークとなる場合が多いです。
 
このワークスタイルは、COVID-19パンデミックの影響で、多くの企業が従業員にリモートワークを導入したことに端を発しています。パンデミックが収束しても、多くの企業がハイブリッドワークの導入を継続し、従業員のワークライフバランスの向上や生産性の向上を追求しています。


■ハイブリッドワークのメリット

ハイブリッドワークには以下のようなメリットが挙げられます。

(1)ワークライフバランスの向上
通勤時間の削減や柔軟な勤務時間により、個人の生活リズムに合わせた働き方が可能になる。

(2)生産性の向上
働きやすい環境での作業が可能になり、集中して仕事をすることができる。

(3)コスト削減
オフィススペースの需要が減少することで、企業の不動産や設備に関連するコストが削減される。

もちろん、ハイブリッドワークにもデメリットや課題があります。例えば、コミュニケーションの取りづらさ、チームの連携の問題、リモートでのセキュリティ対策などが考慮されるべきポイントです。
 

■変わる「企業保健室」

そして、ハイブリッドワークの普及に伴い、『企業保健室』の役割や業務内容も変化する可能性があります。以下は、その変化の具体的な点をいくつか挙げます。
 
(1)リモートヘルスケアの提供
従業員がオフィスにいないことが多くなるため、遠隔での健康相談やカウンセリングを実施するシステムが求められるようになると思っています。テレヘルスやオンラインカウンセリングなどのツールの導入と活用が進むでしょう。
 
(2)ストレス管理の強化
リモートワークは自由度が高い反面、孤独感やオーバーワーク、コミュニケーションの困難さなど、新たなストレス要因を生むことがある。企業保健室は、これらの問題に対応するためのストレス管理プログラムやカウンセリングを提供する役割が強まる可能性が高くなってくるものと思われます。
 
(3)健康教育の拡充
リモートワーク中の適切な作業環境の整備や、在宅勤務時の健康管理方法など、新しい働き方に適応するための健康教育が求められます。
 
(4)健康情報のデジタル化
企業保健室での健康記録やカウンセリングの内容などをデジタル化し、適切なプライバシー対策のもとでリモートからでも参照や相談ができるようなシステムが必要とされるかもしれません。
 
(5)リモートワークの 人間工学的視点からの指導
自宅などの作業環境が健康に適しているかの指導やアドバイスが増加するでしょう。特に、作業環境の整備や適切な姿勢、休憩の取り方などに関するアドバイスが求められる可能性があります。
 
これらの変化は、企業や従業員の健康に対するニーズや期待に応じて変化し、産業保健師たちがその課題を解決し、ニーズを満たすための新しいアプローチやスキルを磨くことが今後、ますます求められるようになると考えています。


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