ヘルスケアビジネスをヘルスケアで終わらせない!?
医療(Medical)分野と違い、ヘルスケア(健康・介護・養生・暮らし等)のビジネスは、健康という重要かつ大切なテーマを扱っている割には、なかなか大きなビジネスにならず、鳴かず飛ばずの万年ベンチャーも多いのではないでしょうか。(なお、健康経営など、国の制度や方針がビジネスの発展に大きく寄与したケースは稀なケースだと思います。)
また、メディカル系スタートアップやベンチャー企業を加えてしまうと、肝心なところが見えなくなってしまいます。医療の領域は課題やニーズが明確で、テクノロジーからのアプローチで多くがキャッチアップ出来ます。
一方、医療領域を除くヘルスケア新規事業の多くは、ITを使った予防医療サービスや遠隔健康管理(いわゆるeヘルスケア)、PHRモデル等、多額の資金を注ぎ込んでシステム構築した割には需要が爆発的には伸びていません。いわゆる社会実装には至っていない段階と言っていいでしょう。社会にインパクトを与える段階にはなかなか到達できません。あるいは、それほどのニーズが無く、すでに充足感が市場にあるのかも、、、。
特に、日本では、僻地や限界集落等は別として、保険証1枚あれば、いきたい病院や診療所で受診することができますし、電話一本ですぐに救急車が到着します。(この仕組みは、世界的にもよくできており、日本でヘルスケアビジネスのユニコーンが登場できない背景になっているのかも)
そしてそんな環境に浸っている中で、予防医療サービスやPHRなどの健康支援系アプリ等にわざわざ費用を出して利用する人はまだまだ少数派だと思われます。
医療系や健康経営系ヘルスケアサービス企業を除くと、飛躍的に大きく成長した企業は、この25年以上ヘルスケアビジネスの領域でコンサルティングをしていますが、見たことがありません。
そこで思ったのが、やはり資産(お金)回りのビジネスと結合すれば良いのではと考えています。例えば、Freeeやマネーフォワードなどのクラウド系会計・家計簿サービス提供事業者とコラボすることで、新しいサービスモデルが創出できるような気がしています。
健康度や活力度(元気度)を資産として評価したり、その評価をもとに保険料率を変えたり、融資枠を変えたりすることも可能ですし、新たな金融・保険商品なども提案できるはずです。また、企業経営においては人的資本開示義務もスタートすることですし。。。
特に、クラウド系会計サービス企業は、個人のクレジット利用情報や預金・保険情報等、銀行などとAPIで連携しているのでデータがつながっています。また、こうした金融情報のAPI連携に関連する法律も整備されてきています。
こうした家計・資産系データに健康系データを繋げることで、個人のお金(消費・資産)データ×健康データで新たな知見も生まれ、さらに新たなサービスモデル創出の機会も生まれてくると思っています。資産評価に健康度を加える事もできるようになるでしょう。
まさに、Fin tech × Health tech に勝機が生まれてくるのではないでしょうか。
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