アフターコロナの働き方改革 〜オフィスが進化する未来〜
健康・生産性・創造性の三位一体の視点から健康経営を考えています。新型コロナウイルスが収束し、「アフターコロナ」の時代が幕を開けた今、オフィスという場所の意義と役割が大きく揺れ動いています。
従来の働き方である「オフィスに出勤する」スタイルが徐々に再び見られる一方で、パンデミックが触媒となり、リモートワークや在宅勤務が常態化した企業も増えてきました。その結果、オフィスは単なる作業場から脱皮し、異なる新たな機能を担うべき場所となるべきであると考えています。
私たちが考えるべきは、仕事がなくても人々が自発的に訪れたくなる、ある種の「魅力」を持つ場所としてオフィスを再定義することです。以下の3つの機能を具現化し、それぞれの領域でオフィスが新たな価値を生み出す場としての役割を果たすようになればと思っています。
①未病改善のハブ機能
この領域では、オフィスが健康維持や予防医療の中心地となり、肉体的および精神的な健康の向上を推進する役割を担います。
②生産性向上(パフォーマンスUP)機能
オフィスは労働者の生産性を高めるための資源を提供し、効率的で快適な作業環境を創り出すべきです。
③創造性向上機能
創造的な空間としてオフィスが位置づけられ、イノベーションのための新たなアイデアや解決策を生み出す場となるべきです。
さらに、産業保健の観点からも、オフィス内に保健室を設けるという従来のアプローチだけでは対応できない新たな課題が浮上しています。働き方が多様化する現代社会では、リモートワークや在宅勤務に対応した包括的なヘルスケアモデルが必要とされています。
これからのオフィス設計は、「働きながら健康になり、活力が向上する」という理想を追求するものでなければなりません。それは、単に物理的な環境を整えるだけでなく、社員一人ひとりの心身の健康に配慮し、生産性と創造性を最大限に引き出すという新たなヘルスケアビジネスの展開を含むべきです。これは、従来のオフィスが果たしていた単なる作業場としての役割を遥かに超えた存在へとオフィスを昇華させる可能性を持っています。
つまり、これからのオフィスは、仕事の場としてだけでなく、健康と創造性の源泉となるための場所として設計されるべきです。その実現には、企業のリーダーシップや制度設計の改革、さらには社会全体の視点からの取り組みが求められます。
このような新たな視点とアプローチにより、オフィスは働く人々にとって心地よく、活力あふれる空間に変貌し、同時に企業の競争力を高め、組織の成長を支える重要な役割を担うことができるでしょう。
オフィスがこれらの機能を兼ね備えることで、働く環境の向上はもとより、社会全体の健康と繁栄にも寄与する可能性があると私は考えています。