なぜ、人間ドックでオーラルヘルス項目がないのだろう?!
近年、オーラルヘルスケアの重要性が益々評価されるようになっています。口腔内の病態が全身の健康に対して影響を及ぼすことが明確になり、歯周病や齲蝕の進行により炎症反応が促進され、慢性疾患のリスクが増大するという研究成果が報告されています。また、口腔癌の早期検出は治療効果の向上に非常に重要であるため、口腔内の健康状況を把握することは、全身の健康維持に直接的に関与します。
このような状況を受けて、人間ドックにもオーラルヘルスケア項目の導入が必要であると私は考えています。人間ドックは、がんや心臓病などの検査項目を多く含んでおり、その目的は早期発見にあります。しかしながら、オーラルヘルスケア項目が未だ取り入れられていないため、口腔癌の早期発見や、歯周病や齲蝕などの口腔内疾患による全身への影響を充分に評価できていないという課題が存在します。
この問題を解決するためには、人間ドック機関等にも歯科医師を専門家として含むチームを組織し、人間ドックでのオーラルヘルスケア項目を適切に設定することが不可欠です。特に、口腔癌の早期発見においては、口腔内の病変をマクロ・ミクロの両面から観察することが必須であり、専門的知識と技術を持つ歯科医師の協力が不可欠です。
人間ドックにおいてオーラルヘルスケア項目を取り入れることは、全身の健康維持や口腔癌の早期発見において非常に重要であり、健康診断の質を向上させる上で欠かすことのできない要素であると思います。
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