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【21/22 ユースリーグ・ベスト8 ユベントスU19×リバプールU19】

まえがき

クラブ史上初、UEFAユースリーグ・ベスト8の舞台に立ったユベントスU19は、ホームにリバプールU19を迎えたこの一戦を2-0で見事勝利した。

試合結果

この結果、ユベントスU19はクラブ史上初のUEFAユースリーグ・ベスト4に駒を進めることになった。
ベスト4では、スポルティングU19とディナモキエフU19の勝者とベンフィカU19が戦うベスト8の勝者と戦うことになる。

(ロシアのウルグアイ侵攻によって、UEFAユースリーグ・ベスト16のディナモキエフU19×スポルティングU19の試合が延期(開催日時は未定)となっているため、ユベントスU19の対戦相手は未決。)

と、文字で書いても伝わりにくいなと思ったためトーナメント表を作成してみた。

トーナメント表

ビジャレアル戦での敗退をうけ、今季ユベントスが欧州コンペティションに残せているのはUEFAユースリーグだけとなった。

リバプールU19戦にほぼフル出場したミレッティは翌日のビジャレアル戦に帯同しており、間近で経験したこの敗戦をUEFAユースリーグへのバネとして欲しい。

メンバーリスト

ユベントスU19
リバプールU19

MVP

⚽️ミレッティ
この試合のMVPは、先制点を挙げ、2得点目の起点となったミレッティを推す。

ユベントスU19は、ベスト16で主にボランチでプレーするカピターノのオミッチが退場処分を受けたため、ベスト8のリバプールU19戦では中盤の層の薄さが一つの懸念点となっていた。

しかし、トップチームからミレッティとスーレを無事に借りることができ(ベスト16では不参加)、ボネッティとミレッティのダブルボランチで試合の主導権を完全に握ることができた。

プレミア仕込みのハイプレスを華麗に回避するユベントスU19のビルドアップの主軸を担ったミレッティ。
この年代ではスーレとともに抜群に上手い選手だということを存分に示した。

ユベントスU19

トゥルコ復帰

この試合に出場したわけではないが、長期離脱していたトゥルコがチームに戻ってきた。
トゥルコは9.5番タイプで、CFっぽくもあり、セカンドストライカーっぽくもある選手。

長期離脱するまでは今季ユベントスU19の攻撃の主軸の1人だったので、この復帰は大きい。

圧倒的存在感のスーレ&ミレッティ

ベスト16のAZ U19戦は敵地オランダで開催されたこともあって帯同しなかったスーレとミレッティ。

ホーム開催のベスト8・リバプールU19戦では無事に帯同して、両者ともスタメン出場を果たした。

ご存知の方も多いと思うが、今季スーレとミレッティは飛び級でU23の方に登録されており、トップチームにもしばしば顔を見せているため、ユベントスU19のリーグ戦やコッパイタリア・プリマベーラなどは完全に不参加となっている。

そんなチートキャラ2人を、UEFAユースリーグだけは飛び級を解除してU23から招集しているユベントスU19。

やはりこの2人がいるといないとでは内容に大きな差が生じる。
ミレッティはU19カテゴリーレベルのプレス程度ならいとも簡単にかわして効果的なパスでチャンスを演出する。
それにとどまらず、前へ前へと焦るユベントスU19の重心となって、落ち着いてピッチを俯瞰するようにボールをキープし、相手の守備の穴をさぐる。

スーレはドリブル突破や裏への抜け出しが脅威的で、やはりこのカテゴリーレベルでは当然のように自分に求められたタスクを遂行する。

先制点はスーレの小洒落たヒールパスをミレッティが針の穴に糸を通すようなシュートで決めたシーンで、まさに2人が期待に応えた瞬間だった。

“10番”ボネッティの真価

U19カピターノのオミッチが出場停止だったこの試合、カピターノをつとめたのは10番のボネッティだった。

昨季以前はU19は背番号が固定制ではなかったが、ユベントスU19の10番といえば、ベルトラーメやカスタノス、クレメンツァ、ニコルッシ、ファジョーリ、パブロ・モレノ、ミレッティ、スーレというように、伝統的に天才肌のアタッカーや司令塔が背負う番号であった。

しかし、今季10番を背負うボネッティは天才肌ではない。
むしろチームの天才肌のプレーヤーが好き勝手にプレーできるように一歩引いて、汚れ仕事やトランジションでの素早い切り替えでチームを支える縁の下の力持ちである。

この試合でも、ベンタンクールのような守備フェーズでのボール狩りやカウンター阻止を何度も見せた。
それでいて、元FWのボールタッチ技術を活かしてポゼッションサッカーにも貢献するパス回しもできる、万能タイプである。

この大会でスーレやミレッティが思う存分力を発揮できているのは、10番ボネッティの存在が大きい。

攻撃の鍵はムラッツィ

特にスーレやミレッティは単独で違いを生み出せる存在であるが、彼らが仕事をする前提で、試合の勝敗を大きく左右するのは彼ら以外のアタッカーである、ムラッツィ、イリング、キボゾだ。

その中でも、単騎でも相手を押し込み連携面でも的確なプレーでチームに貢献したのが、ムラッツィであった。

両サイドのサイドハーフからサイドバックまで幅広いポジションでプレーできるムラッツィ。
私が「ユベントスU19のまだあまり知られていない選手の中でおすすめしたい選手」として紹介したこともあるムラッツィだが、注目度の高かったこの試合でついにバレてしまったようだ。

後方の要・ムハレモビッチ

安定した試合内容を展開できたのは、ひとえにムハレモビッチの貢献が大きい。
CBとしてプレーするムハレモビッチは、ディフェンスリーダーとして相手のストライカーを抑えるのみならず、ビルドアップでも左足から冷静にパスを散らしてリバプールU19を攻守両面で苦しめた。

試合を観た日本人ユベンティーニもムハレモビッチに期待する人が少なくなかったようで、ドラグシン、デ・ヴィンテルに次ぐトップチームに絡んでくるCBとして要注目の選手。

以下蛇足

リバプールU19

欠場した選手が多かったらしいが…
(リバプールサポは読まない方がいいかも)

Twitterのリバプールサポーターによると、リバプールU19はこの試合、主力を欠いて臨んだらしい。
チェルシーU19に勝ったときもチェルシーサポーターが同じことを言っていたことを思い出す。

そこで、調べてみると、今季複数回出場経験のある選手では、以下の選手が欠場していた。

GK
Davis (17) 4試合出場

DF
Bajcetic (17) 4試合出場
Chambers (17) 4試合出場

MF
Stephenson (18) 4試合出場
Frauendorf (18) 6試合出場

FW
Gordon (17) 5試合出場
Musialowski (18) 6試合出場

一方、ユベントスU19は
DF
チーティ(19)4試合出場

MF
オミッチ(19)7試合出場
レドンネ(17)3試合出場
マレッサ(18)5試合出場

FW
ストライドンク(17)3試合出場

このあたりを欠いて臨んだ。
たしかにリバプールU19は欠場者が多いようだ。

しかし、そもそもユベントスU19は今季UEFAユースリーグの最年長世代に当たる2002年生まれを全員U23に登録させており、1人も呼ばずに今大会戦っている(一度だけ緊急策でGKガロファーニを招集したことがある)。

他方、リバプールU19は2002年生まれ枠としてチームに登録しているKoumetio(8試合出場)、Owen Beck(6試合出場)、Morton(4試合出場)の3名をユベントスU19戦でもスタメン出場させている。

ユベントスU19は、2002年生まれのダ・グラカやデ・ヴィンテル、リッチオ、セクロフなどを呼ぶこともできるが、今大会では一度も招集していない。今後も呼ぶ予定はないだろう。

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