【21/22 コッパイタリア・セリエC ベスト16】スッティロールvsユベントスU23
11月4日に行われたコッパイタリア・セリエCのベスト16は、ユベントスU23とセリエC同グループで首位に君臨するスッティロールとの対戦となった。
セリエCではこれまで13試合で17得点2失点という好成績でセリエB昇格を狙うスッティロール。
対するユベントスU23は、昨年のコッパイタリア・セリエCが中止となったため前回王者としてこの大会を迎えることになった。
終わってみれば惜敗。
ただ、コッパイタリア・セリエC敗退という結果は残念だが、チームにとって重要な試合となったといえる。
メンバーリスト
↑スッティロール
↑ユベントスU23
ユベントスU23の雑感
・ニコルッシの復帰
この試合、もっともポジティブな要素となったのは、間違いなくニコルッシの復帰であった。
そもそもペルージャやパルマへのローン経験を持つニコルッシが今更セリエCのユベントスU23に在籍しているのは、それなりの理由がある。
ニコルッシはパルマにローン移籍して2試合に出場して以降、大きな怪我によって2021年11月4日のこの試合まで離脱していたのだ。
ミレッティやファジョーリよりも一足先に期待されたファンタジスタは、怪我によって立ち位置的に追い抜かれてしまった。
しかし、ニコルッシは一度も弱音を吐くことなく、負傷離脱中も、ローン移籍中も、とてもとてもユベントス愛にあふれていた。
こんなの応援するに決まってるじゃん。
私にユースの面白さを教えてくれたニコルッシは、この日、ユベントスに帰ってきた。
59分にミレッティとの交代で投入されたニコルッシ。
最初の数タッチは硬さが見えたものの、その後はさすがパルマへのローン経験がある選手というようなプレーの連発。
とくに自分の技術をひけらかすでもなく、シンプルに一発で攻撃のリズムを作るようなプレーは、彼ならではだった。
投入されて3分後には、反撃の狼煙とも捉えられるゴールを決める。
復帰してピッチに立ってプレーしている姿を見られるだけでも嬉しいのに、ゴールまで見せてくれた。
・アケとスーレ
新生ユベントスU23もある程度試合を経験してゆき、徐々に調子が下振れてくる選手も現れはじめた。
ズエーリが最たる例である。
キエーボから来た落ち着いたアンカーは、この試合は引っかかるシーンが多かった。
まぁ本当の実力やポテンシャルは重々承知なので、そこまで心配な要素ではない。
一方、序盤から好調を維持してチームを牽引するのが、アケとスーレである。
クアドラード的な起用法もあったアケ。
この試合では右ウイング起用だったが、やはり上手い。
トンギャとのトレードで来ただけあって、正直スーレやミレッティへの贔屓目を抜けばチームで1番トップチームに近いといえる。
でもやっぱりスーレも上手い。
昨季プリマにいた時から上手い選手だとは思っていたけど、ここまで一瞬で化けるとは全く思ってもみなかった。
・パルンボ
調子下振れの選手が現れてくる一方、スロースターター的に徐々に調子を上げてきた選手もいる。
パルンボはその1人だ。
今季ウディネーゼよりローンで加入したパルンボは、序盤の数試合はあまり自分の特色を示すことができず、評価することが難しかった。
転じてこの試合では、途中投入からの出場だったが、テクニカルなプレーでチームに貢献。
セルサンティ、ズエーリ、ミレッティ、ニコルッシ、パルンボ、レオーネとポテンシャルを考慮すればセリエBでも全く問題なく通用しそうな面子である…恐ろしい。
・左サイドバックのセルサンティ
ニコルッシ復帰に並ぶ、この試合のビッグサプライズは、右インサイドハーフ主戦場のセルサンティの左サイドバック起用である。
これがどれくらい大胆不敵な起用策かというと、ベンタンクールやマッケニーを左サイドバックで起用するようなもの…と言えば伝わるかな?
ベンチにはアンツォリンやバルビエーリなどもいたが、今回なぜか左サイドバックに選抜されたのは右利きで純粋なMFのセルサンティだった。
トップチームのデ・シリオの右利き左サイドバック起用が当たったのに影響しているのか。。?
実際のところ、この試合のセルサンティはかなりよくやっていた。
左サイドバックなんて多分やったことないだろうに、右利きとはいえビルドアップで落ち着いたプレーを見せ、もともとボールを持てるタイプということもあり、攻撃面でも貢献できていた。