対談・鼎談の類いが好きだ。とっつきにくいテーマも話し言葉になるとぐんと身近に感じられる。七面倒くさい専門用語もすいすいと頭に入ってくる(ような気がする)。すぐれた話し手は読者にやさしいので置いてけぼり感がない。ところどころでツッコミあるいは考える踊り場を作ってくれる。異なるジャンルの才能による言葉のキャッチボールも楽しい。あらぬ方向に行っているようで見事な着地をすると思わず「おおー」と言いたくなる。もちろん予め脱線を前提とした与太話も大好きだ。ただし五代目志ん生じゃないが「面白くしようとしない」ことが前提だ。というわけで、対談や座談会、インタビューといった形式を含めると100冊位の本があった。その中から「対談」に絞って今の気分の30冊を選んでみた。
80年代あたりが多いのはご勘弁を。いわゆる世間でいうリタイアというものをすると、話す相手がどうにも限られてくる。いかんとは思うのだが。
ところでタイパ礼賛の人との会話というのは果たして楽しいのだろうか。
見出しのイラストは「日々みるく」さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。