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ベス単
私が持っている唯一の蛇腹カメラは、ベスト ポケット コダック 略してVPK、通称ベス単です。
いかにも古めかしい(アンティークと言えば聞こえが良いですね)外見をしています。それもそのはずで、2020年現在からですと1世紀以上前のカメラです。
当時のカメラは容易に持ち運び出来るような物ではなく、人が写真館などカメラの方に出向いて撮る、カメラマンを呼んで撮ってもらうのが一般的で、またカメラ自体が贅沢品で高価だったのでは無いかと思います(あくまでも私の想像です)。何故そう思うのかと言うと、カメラの名前がわざわざベストのポケットにも入る小型のカメラ、という意味から名付けられているのと、14年に渡り180万台製造されている事から、それだけ需要があり人々のニーズを満たす製品である裏返し、との推測が成り立つからです。
旅行で見る絶景や、結婚や子供の出生などの人生のイベントは勿論、日常の生活においても思い出や記録を残したいという思いは、昔も今も変わらないんじゃ無いかと思います。
ベス単の使用フィルムは、127フィルムでベスト判とも呼ばれます。
「んん、ベスト判?」と思った方、そうです。127フィルムは、このカメラの為に新規に作られた規格のフィルムで、このカメラの名前を取ってベスト判と呼ばれるのです。135(35ミリ)フィルムがライカ判と呼ばれるようなものですね。
ちなみに127フィルムはブローニーの様に使用カメラによって撮影幅が変わるロールフィルムで、4×4のベビーローライなどにも使えますが、ベス単では4×6.5(何とフィルム1本で8枚撮り!?)になります。ブローニーよりも細めでブローニーの6×4.5よりも若干小さなサイズで縦長になります。
127フィルムは控えめに言っても最近まで入手困難なフィルムだったのですが、5年くらい前からオリジナル商品として、かわうそ商店さんでモノクロの感度100が売り始められたのを皮切りに現在では400もありますし、カラーの100、リバーサルの100も売られています。それを仕入れているのでしょうかフォトスタジオヨシオカさんでも購入出来ます。
中には暗室で120フィルムを裁断して127フィルムの裏紙に貼ったりとか、35ミリフィルムを127フィルムの裏紙に貼って使っている方もいる様です。巻き送りでどこまで送るかという点は、自分で発見するしか無さそうですね。35ミリの方がサイズが小さいので、これを裏紙に貼った場合はパーフォレーションまで露光されます。
このカメラ、実は半年くらい前に兄から貰いました。外観が綺麗ではなく、家族から見たらガラクタに見える様で、居場所が無くなったところに、我が家にやってきました。
外観は綺麗ではないですが、機構は何度かメンテナンスされているのか、シャッターは各速(T.B.1/25.1/50)切れますし、絞り(8.16.22)もすんなり可変しています。
今回の騒動で家にいる時間が長くなり、何となく触っていたら、このカメラで撮ってみたいと思えてきて、かわうそ商店さんにモノクロの400をとりあえず1本注文しました。
それを昨日1日で撮り今さっき現像したのですが、実はフィルムの装填時と取り出し時に散々感光させまして、見事にカブりまくった白黒ネガの出来上がり。お見せ出来る写真が1枚も無いという悲惨な結果になりました。
懲りずに撮るつもりなので、上手く撮れたらまたアップしたいと思います。
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