リバーサルフィルムとネガフィルムについて
フィルム文化と言いながら、フィルムのことをあまり書いていないので、今回はフィルムについて少しお話ししたいと思います。
フィルムには、大きく分けてカラーとモノクローム以外にネガフィルムとポジフィルム(リバーサルフィルム・スライドフィルムともいう)があります。ポジフィルムにもモノクロとカラーがありますが、よく流通していて、現像もしてもらえるのはカラーの方です。白黒リバーサルの現像を受けてくれるところは珍しいです。
フィルムと聞いて思い浮かべられるであろうフィルムはコマに何か写っているけれども何かハッキリは判別できないものではないでしょうか?
それはネガだからですね。ネガに対してポジというのはこんなフィルムです。
何が写っているのか色も含めて、完全にフィルム上で鑑賞できます。今までで3.4本位しか使ったことがありません。私のスマホの撮り方が悪いのと画面上なので暗く写っていますが、実物はもっと発色の良い綺麗なフィルムです。
普通のカラーネガフィルムはC-41やCN16という処方ですが、カラーリバーサルはE-6という処方です。ちなみにカラーネガをE-6、又はカラーポジをC-41で現像することをクロスプロセスといいます。コントラストが強いアートな写りになることもありますが、下の写真のように画面全体に緑がかったりなど予測不能です。どう出るかは露光量やフィルムの銘柄や現像薬品でも異なるようです。ちなみに1枚目と2枚目はフィルムの銘柄は同じです。読み込んだ画像と、ネガがどうなるか載せておきます。
写真が下手ですいません。実際目で見えている感じではもっと青紫色をしています。
クロスプロセスは通常よりも薬品が傷みます。薬品を補充する、うなぎのタレ方式の機械現像では断られることも多いので、事前に確認されることをお勧めします。受け付けてくれても現像料金は通常より高いです。
1枚目の写真の下の方は室内ドアンダーで見れませんね。ここは実物でも、光にかざして輪郭が分かる程度です。
リバーサルフィルムの難点は、ラチチュードが狭く、ネガの半分程度しかないという所です。
しかもISO感度が50か100のものしか入手性が良いものはありません。つまり、動体ではラチチュードが狭いのにシャッタースピードも稼げず、使用するのは厳しいです。フラッシュを焚くと不自然な照り方や影に影響してしまいます。
ISO100のカラーリバーサルを使い、冬の昼間の室内(外は晴れ)でフラッシュを焚かずに動体を撮ると下のようになります。
ちなみに同日かどうか忘れましたが室外曇り気味ではこうなります。
値段も36枚撮りで一本1500円から2000円位します。店に現像を頼むと、現像代も1200円位で普通のカラーネガの2倍近いです。36コマに3000円ですからシャッターを一回切ると80円強が掛かります。これがどれだけ高いかというと、白黒フィルムを自家現像の場合は僕の薬品の使い方の場合、(フィルム代➕現像薬品代1本あたり)➗36=シャッター一回で15円です。カラーネガでも自家現像なので20円位には収まります。
厳密にいえば廃液を業者に引き取ってもらう料金などもありますから、もう少しかかりますが。
趣味にお金を絡ませて考えたく無いとはいえ、4倍も掛かるのには非常に躊躇します。
1枚目の写真はヤフオクでISO200の期限切れ3本セットを360円で落札したものです。送料を含めても600円弱でした。これを格安で現像してもらったわけですが、何度も頼むのも気がひける、、。という事で、次は自家現像をと思ったのですが、ここにも落とし穴がありまして。
自家現像のハードルも高く、ロダンカリとリン酸3ナトリウムという薬品が必要です。
後者は劇物指定の為、身分証明書と印鑑が無いと買えません。身分照会されるのは問題ありませんが、薬品は500グラムで売っており、現像するフィルム量に換算すると大体200本分になります。その間家に劇物を置いておくのは気分的にも進みませんね。
濃度にもよりますが、強アルカリ性で皮膚に触れると皮膚が溶けますし目に入ると失明します。粉塵を吸い込むだけでも肺などに炎症が起こります。いつかはしてみたいとも思いますが、少なくとも子供がいる間はやりませんし、将来リバーサル自家現像に手を出すとしても事前に妻の快諾が無いとやりません。大丈夫なん?と心配しながら家で過ごさせるわけにはいきませんので。
なので、リバーサルは店に現像を頼むか、せっかくの特徴であるポジ像を諦めてクロスプロセスで自家現像するか、というところに落ち着こうとしています。いや、落ち着くしか無いのです。
多分クロスプロセスはせず店に頼むと思います。コントラストが強いビビッドなネガ画像で良いのであれば、コダックのエクター100でも良いので。国内だと1100円から1400円位しますが、B&Hで個人輸入だと為替の影響も受けますが、800円位で買えます。1本だと送料で高くつきますが、10本以上まとめてとか、長巻フィルムを輸入のついでとかだと安く済みます。
ちなみにですが、先日イルフォードのデルタ400 長巻とHP5の36枚撮り2本とエクター100の36枚撮り2本で送料諸々含め139ドルでした。銘柄が異なるし其々値段も違うので、単純計算の弊害もありそうですが、便宜上単純に割ると1本700円を下回る計算になります。
海外通販はそれ以外にも米国アマゾンやEUのマコダイレクトなどもあり、使用するフィルムと輸入量によっては、個人でも十分節約できます。マコダイレクトでは日本で滅多に見ないフィルムもあったりします。
最後に誤解が無いように断っておきますが、リバーサルフィルムは適正露出で撮影して、手ブレなども無ければ、80円/シャッターを出す価値があるほど、実物は綺麗で感動モノです。
ブラックバードフライでこの写りですから。