61歳の代理母
先月25日、アメリカで61歳の代理母が出産した。
子供を欲した同性婚の息子のために代理母を務めたそうである。
LGBTを取り巻く問題が世間を騒がせている昨今、人によって着目するところはいろいろあるだろう。
とりあえず、私が気になったのは年齢である。
人間の出産適齢期は20歳前後といわれている。
というのも、死産や流産、障害児出生などの発生率を母体年齢順に並べると、20歳を頂点とする逆放物線になるというのだ。
発生率は20代の間は緩やかに上昇するが、30歳辺りから急激に上昇を始め、30代後半にもなると、無事に産める例のほうが少なくなってしまう。
その流れでいくと、61歳での出産は、普通ならほぼ不可能なはずだ。
おそらく、若い女性から提供された卵子が成功の鍵だったのだろう。
一時期は「羊水が腐る」などの表現が物議をかもしたが、加齢によるリスクの増大は、肉体の老化ではなく、卵子の劣化が主要因ということなのだろうか?
晩婚化の進んだ日本においては、不妊に悩む夫婦も多いときく。
不妊の理由もいろいろなケースがあるのだろうが、単純に年齢的な問題で、若い卵子さえあれば解決する、というケースが多いのなら、若いうちに卵子を凍結保存しておいて、将来の出産に備えるという発想もありうるのではないだろうか?
出産適齢期に自然に産めるのが一番なのだろうとは思う。
しかし、今の日本では、20歳前後の女性が子供を産むのは難しいようで、実際に産んでいる人はかなり少ない。
若い女性が産みやすい環境を整える、ということが重要な課題であるのは間違いないだろう。
同時に、出産に関する選択肢を増やし、女性の人生設計の自由度を上げる為に、「卵子バンク」というものを検討してみてもよいのではないだろうか?
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