見出し画像

広告代理店とクライアントワークを、やらない。#その壱

みなさんは「広告代理店」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

・CMとか巨大ポスターとか、華やかな表現をつくっている
・5分に一回くらい電話かかってきてて、打ち合わせだらけ
・お願いすると、バズらせてくれそう

人によっても答えが大きく変わってきそうな問いですが、かつて広告代理店に勤務していた私が入社前に持っていたイメージは「クライアントの商品を売るためなら何でも実行できる集団」でした。

そう、5分に一回くらい電話がかかってくるのも「売ること」にコミットしているからなんですよね。(笑)

新卒入社したコンサルティング企業では、「最適化・効率化」のプロジェクトが多く、コストダウンによって価値を証明するような手法が評価されていたこともあり「売ること」に全力投球できる広告代理店は、最高な職場であり、毎日楽しく馬車馬になれていました。

もちろん、広告代理店には売ることだけでなく、社会課題の解決や、コストダウンのための相談も多く来るのですが、やっぱり「売ってくれ!」と頼まれると「よっしゃ!」となる人が多いんじゃないでしょうか。

課題解決の総合商社

多くの先人が説明されていますが、日本の広告代理店は、他の国とは違って得意領域が超広い。商品開発・PR・政治家の台本づくり…など活動領域は広告以外にも多岐にわたります。

まるで課題解決の総合商社のように、全身がムキムキです。

ほぼ大半の人がクライアントワークに勤しんでいる

そしてムキムキに蓄えた筋肉のほぼ大半は「クライアント」に提供され、対価を得ているのが広告代理店です。

とても重宝されているし、これからもそのビジネスがゼロになることはないでしょう。特に、勢いのあるスタートアップや大企業の新規事業は早いタイミングから優秀な広告代理店チームに出会えると、成功確率が上がると思います。

クライアントの事業を通して世の中に貢献ができる」のは、やりたいことがたくさんある人にとって、最高の環境ですし、優秀なクリエイターは一つの事業に特化せず、いろんなプロジェクトに関わる方が世のためだと思います。

「自分のアイデアを形にしたい」

だけど「自分のふんどしで、自分のアイデアを形にしたい」と、ほとんどの代理店人が一度は考えたことがあるのではないだろうか。

もともとクリエイティブなことがしたくて、ふとした時にアイデアをメモし続けるような人種だから、それは自然なことだと思います。

代理店にいても、それを可能にする手段は色々あります。

【1】個人や有志の活動として、自己資金でつくって発表する
【2】プロジェクトをつくって、協賛をつのる
【3】代理店発の自社プロジェクトとして立ち上げる

【1】【2】は結構よくみかけます。

私自身、戌年のお正月に当時の同僚と有志でこんなプロジェクトに関わったりしていました。

「メディアの販売に依存しないビジネスモデルを作るべきだ!」と代理店の偉い誰かが声を上げてから、長い時間がたっていますが、【3】として社内の承認スタンプラリーをやりきって、世に出すのが想像以上に大変なんだよな、と常々感じ続けていました。

成功体験の少なさが課題

きっと、自分たちで立ち上げたアイデアで思いっきり成功した前例が少ないことが原因なのかなと。その労力をクライアントワークに向けた方が、短期的なリターンが大きいからですね。

でも裏を返すと「そのぶん失敗の機会を失ってる」と思うんですよね。

古巣の広告代理店・東急エージェンシーきっての粋な管理職・Koikeさんとそんな話で盛り上がっていたところ、Koikeさんが予算とチームをつくって、代理店自らのフンドシでトライする土壌を用意されました。これが約1年前。

そこから、「クライアントなしの実装アイデア」が数多く繰り出され、Konelのテクノロジストと議論を重ねて、生まれたのがこちらです。

代理店との非クライアントワーク #その壱

画像1

画像2

詳しいことは、東急エージェンシーの真ユニット「GG(仮)」のポストを参照ください。

こんな風に「しゃべりぼっち」が救われます。

こんな痛快で、いまこそ欲しいツールを、広告代理店の欲望から形にするお手伝いができたこと、本当に嬉しく思っています。(Konelはアイデアを形にするためのデザインと実装全般を担当いたしました。)

自分が在籍してた5年前頃には成し得なかったことが果たせました。

しゃべりぼっち各位、至急おためしください。

画像5

開発裏話

ベータ版のプロトタイピングとはいえ、今回は要件定義の難易度が高い開発でした。

もっとも争点となったのは、限られた期間と予算の中で、zoomなど特定のアプリに特化してUXを磨き上げるか、meetやTeamsなど幅広いツールで試してもらえるようにするか。

結果は後者となり、それがゆえ各ツールの制約をまんべんなくクリアするために、UXを我慢せざるを得ない部分が出てしまいました。(特にマイク設定をハックするための準備が結構シンドイ

↑これは、決して言い訳をしているわけではありません。

むしろベータ版感満載なのに、きっちり企業としてプレスリリースを打ち出すレベルまで、スタンプラリーをやりきった(そしてちゃんとそのレベルまでプロト開発をやりきった)チームへのリスペクトが高まっています。

どんどん使っていただいて、どんどんダメ出しいただいて、どんどん褒めていただきたいです。

とにかく失敗の数を重ねて、クライアントワークからは得られない新たな感触を獲得することが大事だと思います。

半歩先のアイデアをβ版で発信するGG(仮)

発信までこぎつけたのが、東急エージェンシー内に発足したこのチーム。

画像3

欲深きプランナーの塊・・・

博報堂ケトルを皮切りに、広告代理店から「クリエイティブ・ブティック」なるものが沢山生まれてきて久しいですが、かつてこんなベータ感満載なチームはなかったと思います。

こういう人たちとなら、いくらでもプロトできちゃいます。

▼ Uh-huh⤴ ダウンロードはこちら ▼

Windows版 Mac版

Konelと何かつくりたい!という方はぜひお問い合わせください。

info@konel.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?