風呂敷 『contour_FUJI』
以前から作りたかったテーマがありまして、このたび風呂敷を作りました。
その名も『contour_FUJI(コンター 富士)』
等高線の魅力
contour(コンター)とは『等高線』のことです。昔から「等高線って面白いな」と思っていました。
何万年もかけて作り出された自然というカタチ。それを人間の基準(標高)で切り出したものが等高線です。線の間隔で勾配がわかったり、輪郭のグニャグニャ具合でその地形の複雑さがわかります。例えばその山に登ったり、見たことがなかったりしても、等高線を見ればなんとなく山のカタチが想像できたりするのが面白い。
小学生の頃に社会の授業で等高線の存在を知り、自分なりに地形を作ってみようとしてみたものの、カタチが想像できるようなものが作れない。そのときは結局諦めましたが、人工的に作れないところに魅力を感じました。
contourシリーズが生まれたきっかけ
そんなわけで、小さい頃から等高線のことが頭の片隅にあったわけですが、ある日、ぼんやりとGoogleマップを眺めていて思いました。
山の陰影と等高線が重なると面白いな
Googleマップには「地形モード」というものがあり、それで地図を表示すると地形の凹凸が陰影で表現されます。さらに任意の点を拡大していくと等高線が重ねられるのです。これを見たとき
標高の違いと色を掛け合わせたら面白い模様になるんじゃないか
と考え、すぐに等高線データの入手方法を探しました。
等高線のデフォルメとバランス
いざ等高線データを探してみると、国土地理院が無料でデータを提供していることがわかりました。このデータのダウンロードや加工するためのデータ変換など結構大変で面倒だったのですが、その話は割愛。
富士山を選んだのは「静岡で育った自分がある程度カタチを知っている地形である」こと、「模様としてデフォルメしやすそう」なことがあったからです。
抽出した等高線データをそのまま利用しようとすると線のギザギザが激しく、模様としては生々しすぎるためデフォルメが必要になりました。とはいえ、デフォルメしすぎてしまうとそれは小学生の頃と同じ過ちを繰り返すだけ。線のカタチや間隔から山が想像できることに魅力を感じているので、そのバランスに苦労しました。
なんとか納得のいくバランスとなり、デフォルメ等高線が完成しました。しかし重要な作業はまだあります。それはカラーリングです。
contour_FUJIの誕生
富士山を感じさせるステップカラーにするにはどうすれば良いか。
等高線だけの状態では「個性的な模様」ではあっても「富士山」とは伝わりません。かといってGoogleマップで見たまんまの色(緑)を当てても、それではただの地図でしかない。考えた末にたどり着いたのが浮世絵や水墨画です。
浮世絵ではよく富士山がモチーフに用いられています。空に浮かぶような真っ青な姿。夕焼けに照らし出された雄大な姿。墨の濃淡だけで表された水墨画。さまざまな表現がありながら、そのどれもが富士山を感じさせています。
これらをヒントに生まれたのが『青富士』『赤富士』『墨富士』です。
それぞれ単純なステップカラーに見えますが、少しずつ色を調整しています。どれを選んでも「富士山」を感じてもらえたら幸いです。
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以上、contourシリーズの第一弾『FUJI』の誕生秘話でした。長々とこだわりや苦労を綴りましたが、単純に「この模様おもしろい!」と感じていただけたら嬉しいです。規則的なボーダー柄などとは違って、使い方次第でいろんな表情を見せてくれますよ。
模様はさておき、風呂敷というツールはとても便利です。エコバッグになるだけでなく様々な使い方ができます。サイズは90×90cmで、素材はポリエステルなので洗濯機でも洗えます。
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