アキレスと亀の解説

現代版「アキレスと亀」

部活の先輩がこんなこと言っていました。


生配信で30分遅れた時に最初から見たいからと2倍速で見たら30分のところを15分で見れるんだけどその15分の間にも配信進んでてその半分の7.5分で見れてその7.5分間に進んだ配信を3.25分で...ってなって永遠と追いつけない”現代版アキレスと亀”


なるほど!となって一瞬で理解してしまいました。そもそもアキレスと亀の話を知らない人もいると思うので少し説明をすると「足の遅い亀にアキレスが追い付こうとしても差が縮まるだけで追いつけない」というものです。多分皆さんの頭の中に?が浮かんでるかもしれませんがその?を頑張って解消します。

普通は速いほうが追い越すでしょ

小見出しに書いてあるようにまあこれが当然の意見です。では実際に思考実験をしてみましょう。


秒速1mの人Aと秒速2mの人Bが同じ方向へ進むとします。AはBの10m先からスタートします。

  1. A 11m地点 B 2m地点

  2. A 12m B 4m

  3. A 13m B 6m

  4. A 14m B 8m  

  5. A 15m B 10m

  6. A 16m B 12m

  7. A 17m B 14m

  8. A 18m B 16m

  9. A 19m B 18m

  10. A 20m B 20m

  11. A 21m B 22m

このように秒速の差は1mなので10秒後には差が埋まってBがAに追いつきます。そして11秒後にはBがAより1m前に進んでるはずです。


まあ常識というか、一般的な感覚ですよね。

じゃあなぜ追いつけないのか


では見方を変えてみましょう。AとB(移動速度・スタートの位置関係は前述のとおりとする)がもう一度同じ方向へ進みます。今回はBがAにいた地点に到着するまでにかかった秒数だけAも進むという見方でどれだけ差が縮まっていくのか考えていきましょう。
まずBが10m進めばAが最初に居た位置に追いつけます。この時5秒かかりましたね。Bが5秒進んだのでAも5秒進みます。秒速1mだから5m進みます。Aが15m地点、Bが10m地点にいるので差は5mです。2倍の速度で追いかけられると差は半分になっていくことが分かります。ではBが先程までAがいた15m地点にたどり着くには5m進まないといけないので2.5秒必要です。その間にAも2.5秒分進むのでAは17.5m地点まで進みます。差は2.5mです。このように考えていくと2.5m分Bが進むとAも伴って進み差は1.25m、1.25m分Bが進むと差は0.625、0.3125、0.15625…
このようにどんどん差が半分になり永遠に0にならないことが分かりますか?(これが分からないとどうしようもないです。)


誠に不思議でござる

なぜこのようなことが起きるかと言うと前者は追い越すことを考えているのに対して後者の考え方は追いつくまでの過程しか考えておらず追い越すことは考えていません。どういうことかというと両者にはAは毎秒1m、Bは毎秒2m進むという大原則があります。この原則を大前提に考えていきます。
まずは計算方法の面から解説していきます。
前者は2人の時速の差が〇m/sだから1秒辺りに〇mだけ差が縮まっていく、その差はいずれ埋まり(0になる、もしくは負の数になる)ます。ざっくり言うと足し算引き算を元に計算しているので0になったり負の数になったりします。
では後者の方、差がどんどん半分になっていく、つまり差をどんどん÷2をしているということです。(x÷2)÷2)÷2)÷2)÷2)…と割り算を使っています。商に0が来ることは0で割る時以外無いので差は永遠に埋まらないことになります。

もう少しイメージしやすく解説すると後者はBがAが元いた地点にたどり着くには僅かでも時間が必要であり、その間もAは進んでいるから永遠に追いつくことが出来ない。こういうことになります。つまり最初に言っていた生配信のアーカイブを2倍速で見て追いつくというもの、生配信は未来へは進めないので2倍速が本来の配信を超えることは無いので想像しやすかったのではないでしょうか。

いろいろ長々と説明しましたが理解出来ましたか?できなくてもいいです。難しいので。少しでも興味を持ってもらえれば満足です。

頑張って解説したから絶対理解してね!!絶対!!


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