非対応PCの Windows 10 から Windows 11 へのアップグレード方法(2024年8月現在)
はじめに
Microsoftは、Windows 10のサポートを2025年10月14日で終了すると発表しました。サポート終了後は、セキュリティ更新やバグ修正が行われなくなり、PCがセキュリティリスクにさらされる可能性があります。そのため、多くのユーザーがWindows 11へのアップグレードを検討しています。
しかし、Windows 11には新しいシステム要件があり、すべてのPCがこれを満たすわけではありません。この記事では、システム要件を満たさないPCでもWindows 11をインストールする方法と、そのリスクについて詳しく解説します。
Windows 11のシステム要件とその確認方法
Windows 11の公式システム要件
Windows 11のインストールには、以下のシステム要件が必要です:
プロセッサ: 1GHz以上、2コア以上の64ビット互換プロセッサ
RAM: 4GB以上
ストレージ: 64GB以上の空き容量
ファームウェア: UEFI、セキュアブート対応
TPM: バージョン2.0
グラフィックスカード: DirectX 12対応、WDDM 2.0ドライバー
ディスプレイ: 9インチ以上、720p対応
Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する(Microsoft公式ページ)
現在のPCがシステム要件を満たしているか確認する方法
自分のPCがWindows 11のシステム要件を満たしているかを確認するには、Microsoftが提供する「PC正常性チェック」ツールを使用するのが簡単です。このツールを使うと、PCがWindows 11に対応しているかどうかを簡単に確認できます。
互換性の確認(Microsoft公式ページ)
システム要件を満たさないPCでもWindows 11はインストール可能?
システム要件を満たさない場合のインストール可否
結論から言えば、システム要件を満たさないPCでも、Windows 11のインストールは技術的には可能です。しかし、Microsoftはこれを推奨しておらず、インストールによる問題が発生してもサポートを受けられない可能性があります。
Microsoftの公式見解
Microsoftは、システム要件を満たさないデバイスにWindows 11をインストールすることに対して警告を発しています。特に、セキュリティの脆弱性や、将来的なアップデートが適用されない可能性があることに注意が必要です。
システム要件を満たさないPCでのWindows 11インストールに伴うリスクと制限
インストールによるリスク
システム要件を満たさないPCにWindows 11をインストールすると、実際にはどのようなリスクが伴うのでしょうか。以下そのリスクです:
セキュリティの脆弱性: TPM 2.0やセキュアブートがないと、セキュリティ面で弱点が生じます。
不安定な動作: PCの動作が不安定になったり、一部の機能が正常に動作しなくなる可能性があります。
アップデートの制限: 将来的なWindowsアップデートやセキュリティパッチが提供されないことがあります。
システムの制限
Windows 11をインストールしても、いくつかの制限が生じることがあります。特に、セキュリティ機能や新しいハードウェア機能をフルに活用できないことが想定されます。
ライセンスに問題はないか?
Windows 10のライセンスが有効であれば、Windows 11へのアップグレード自体はライセンス的には問題ありません。ただし、システム要件を満たさないPCへのインストールについては、Microsoftがサポートを保証しないため、ライセンスが有効でも公式サポートを受けられない可能性があることに留意しなければなりません。
ここで紹介するインストールの手法
非対応PCへのインストールは方法としては、レジストリを変更する方法やDLLファイルの書き換えなど、いくつかの方法が明らかになっています。しかしそれらはシステムに影響するファイルや設定を手動で編集する方法であり、誤った操作が深刻な問題を引き起こす場合があるため細心の注意が必要です。
しかしここで紹介する手法は、重要なシステムファイルを手動で編集することなく実行できるアップデート手法です。( 2024年8月現在で確認)
尚、ネット回線やPCのスペックにもよりますが、必要データのダウンロードから手順の完了まで数時間程度かかる可能性があることを理解して作業にとりかかってください。
実際のインストール手順
Windows 11 インストール用データの入手
Windows 11 をダウンロードする(Microsoft公式)にアクセスします。
ページ内の[Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする]から、[Window 11(multi-edition ISO)]を選択し[ダウンロード]ボタンをクリックします。
続けて表示される[製品の言語の選択]から[日本語]を選択し[確認]ボタンをクリックします。
続けて表示される[Windows 11 日本語]の[64-bit ダウンロード]ボタンをクリックします。
ダウンロードが開始されます。
Windows 11 のインストール
ダウンロードされたISOファイルをダブルクリックして「開く」を選択します。
エクスプローラー内の「PC」をクリックして、エクスプローラー内でISOファイルがマウントされていることと、ドライブ文字(E:等)が何かを確認します。
コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力します。
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E: ←(上の手順で確認したドライブの文字を入れてEnterキー)
setup.exe /product server ←(左の文字列を入れてEnterキー)
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「Window Serverのインストール」が表示されたら「次へ」をクリックします。
画面の指示に従い、ライセンス条項や引き継ぐ項目を選択し「インストール」をクリックします。
インストールが開始されます。
何回か自動的に再起動が繰り返されますが、すべてのインストールが完了すると、OS開始時のパスワード入力画面が表示され、Windows 11 が使用できるようになっています。
7. インストール後に問題が発生した場合の対応策
トラブルシューティング
インストール後にPCが正常に動作しない場合は、以下の方法でトラブルシューティングを行います:
セーフモードでの起動: 最小限のドライバと設定で起動して問題を特定します。
ドライバの更新: 古いドライバが原因で問題が発生することが多いため、最新のドライバをインストールします。
Windows 10へのロールバック手順
設定からロールバック: Windows 11をインストールしてから10日以内であれば、設定→更新とセキュリティ→回復からWindows 10に戻すことが可能です。
クリーンインストール: 10日を過ぎた場合、Windows 10のインストールメディアを使用してクリーンインストールを行う必要があります。
まとめ:システム要件を満たさないPCでのWindows 11運用の注意点
システム要件を満たさないPCにWindows 11をインストールすることは可能ですが、リスクと制限が伴います。特に、セキュリティリスクや将来的なアップデートの制限については十分に理解しておく必要があります。
特に重要なデータを扱う場合や信頼性が必要な場合には、インストールを慎重に検討することをお勧めします。また、バックアップを取ってから作業を進めるようにしてください。
もしWindows 11を使用する必要がある場合は、これらのリスクを認識した上でインストールを行い、必要に応じてWindows 10に戻すことも検討してください。