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高価なものは実際良いのか?

明けましておめでとうございます。
昨年はDELTAオープンも含め皆様には
大変お世話になりました。
ありがとうございます。

さて2025年1つ目の投稿はタイトルにも
あるように、「高いものって実際良いの?
どうなん?」ということを話していこうかと
思います。

・高価なものとは?

まず「高価なものって例えば?」なんですが、
自転車は車体もパーツも値段はピンキリです。
それこそ今は某大手通販サイトなんかでも
よく分からないメーカーの安価なパーツも
あれば、自転車乗りでも知らないメーカーの
高価なものまで星の数ほど溢れてますよね。
例に挙げてコンポーネントでいうとShimanoならDURA-ACEXTR。
SramならREDXX SL EAGLE。
CampagnoloならSUPER RECORDなどいわゆる上位グレードのものが高価です。
パーツだと僕らのようなジャンルならばChris KingWhite Industries
Paul ComponentsPhil Woodなどなどあります。
単純に値段が高価なものが良いものとされてます。
が、じゃあ実際これらは「良い」ものなのか。
僕の主観ですが話していきましょう。

・なぜ高価になるのか?

何で高価なのか。
パーツはフレーム、コンポーネントを引き立た
せる為にあると僕は思ってて、いかに引き立た
せて性能をサポートしてくれるかというのが
パーツ達。
とても速いランナーもランナーの性能を引き立たせるウェア、シューズ、ランナーのコンディションを保つ為の環境がないと速くは走れません。

フレームやコンポーネントを最大限に引き立た
せる為には、精度や各箇所の力学、それらを
具現化する為の製作機材が高価なものへとなり、
さらには生産性がよくないのでどうしても高価にはなってしまいます。
大量生産の洋服より、一着一着人の手で仕立て
られた洋服の方が高いのと
同じような原理です。
要は高価なパーツは素材が製品になるまでの
手間暇がかかっているということです。(素材自体が高価ということも要因ですが)

・実際の製品はどう?

さてコンポーネントで進めて行くと、各メーカーの一番最上位グレードは基本的にはプロが使用
するモデルになってきますが、プロが使用する
ので軽量かつ性能が良いのが大前提です。
性能を良くするのは当たり前として自転車業界
ではやはり次に「軽量」であるかどうかが
ほとんどを占めます。
ただ性能がいいのはもちろんですが、プロが
レースで使用するにあたって「良い」になるので正直レース思考がない方には必要ないと思います。
プロの選手の使用機材ってすごい大雑把にいうと不必要な機能は削がれて、できる限り軽量化されているので、その分耐久性が落ちてしまいます。
といってもプロの選手のパワーは一般人とは違うので、そうそう壊れるというわけではないのですが、全体的に「デリケートになる」が表現として近しくなるのかなと思います。
ていうかダメですけど、プロの選手が使用して壊れてくれる方がメーカーとしては進歩させる理由があるのでしょう。
そうじゃなければアップデートする必要なくなるので。

なので最上位の一つ下のグレードになれば大体が「○○○(最上位モデル)のテクノロジーを踏襲したほにゃらら」と謳われることが多い、いわゆる「上から2番目」が僕ら一般ピープルの使用する最上位モデルともいえるのではないかと思ってます。
ただ上から2番目なのでこちらも値段としては高価です。
性能も良くてだいぶ軽量気味で良いです。
やはり最上位はどこか偏りがありますよね。
上から2番目も偏りはありますが、最上位ほどではありません。
最上位から「軽量、性能 > 耐久性」となり下位にいくにつれて、「軽量、性能 < 耐久性」という感じがイメージしやすいかと。
(あくまでイメージ)

次にパーツで進めていくと、パーツは一概に高価なものが軽量という訳ではないこともあります。
こちらもある程度偏りもあったりしますが、それはパーツの箇所によって変わってきます。

例えば僕らのようなジャンルが好きな人は、パーツとしてはChris kingが良いとされてます。(一例として)
実際Chris Kingの製品は良いのかと言われると僕は「良い」と言います。
なぜ良いのか。
Chris Kingは製品の精度も良く、製品の構成される一つ一つの部品も良質です。
また他にはない技術や構造を用いて生産される製品が高価になる要因でもあります。

他にもWhite IndustriesやPhil wood、Paul Componentsなどもありますが、この辺りも
すごい軽量か?といわれるとそうでもなく、アルミの削り出しパーツにしては軽量な方とか、切削加工が繊細なので精度が良いという部分で効果になることが多いです。
特に高価なアルミパーツブランドは一塊のアルミを削って製作されることが多い。
おにぎりというアルミの塊を食べていって、真ん中にある小さな梅干しが製品のパーツとして販売されるといった感じです。(例えが上手くない)
ただこれらもやはり高価なものは「良い」です。
ただ中にはお値段の割に性能がイマイチというものもあったりしますが、こういう時は大概使用者とパーツの性能が見合ってないことによる気持ちの相違ではないかと思います。

・なぜ高価なものを使いたがるのか?

いやもう正直、見栄と自己満ですよ。
性能を求めるが故に高価なものになってしまうも前提ですが、こう思うのって結構後者の方なんです。
逆に性能と使用予定の規格によって高価なものしか選択肢がないということも結構あります。
ただ日本人である限りは「良いのもの使いたい」という欲は皆さん大体もってると思うのでそこはもう洋服やそれこそ車も同じですよ。
ブランド物を所有したいとかそういうやつです。

僕ら自転車店のスタッフが大体良いパーツで組むのも同じように「憧れ」から組むことも少なくないです。
ただ言い訳すると僕らは憧れを持ってもらえるようにしないとお勧めする意味もないので、いわば「見せ物」の意味も込めて
組みます。
洋服屋さんの店員さんはオシャレ原理といいましょうか。
僕らにとってはモデルを皆さんに見てもらってる感じ。
「この子僕が発掘したんです。どうですか?いいでしょう?」
な感じです。
それと僕らも使ってみないと良し悪しの判断ができないから使用してみる為にということもあります。

食べ物も良いものって美味しいものが多いので食べたいじゃないですか。
なので僕の場合は所有してる車体は基本的にお店に置いてあるので、ぜひ見て触って試乗してください。
むしろスタッフさんが乗ってきた車体とか試乗させてくれないとか「何のためにそれ乗ってんねん」と思ってますので。

・結果どうなの?

結果としてはやはり高価なものは単純に良いです。
ただ高価、安価関係なく自分の使い方に合ったもの選びをしないとその良さって分かりにくいかなと思います。
あとは周りのコンポ、パーツとの調和性でしょうか。
お互いの良さをかき消してしまうようなパーツ構成にすると宜しくないのでその辺は適材適所で組み込んでいきましょう。

自転車ってどうしても地位が低くみられがちなので、どれも高いと思われてしまうでしょうけど、長い目でみると高価すぎるわけではありません。
むしろ家電くらいに思ってくれた方がいいかもです。
家電のいいものは高いですけど、その分暮らしが豊かになります。
かといって使用用途に合ってない家電を買うと結局は使わなくなります。
自転車は実用と嗜好品の両方を兼ね揃えているから難しいですが、その辺はうまく気持ちの折り合いをつけてもらえると嬉しいです。

長々となりましたが、僕の思う高価なものはどうなのか?を書かせてもらいましたが、僕の考えを押し付けようとは思わないので共感頂けたらまたお店でもお話ししましょう。

それではまた。

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