【信州の秘湯】大糸線・平岩駅徒歩5分の『瘡の湯』を訪問
2021年5月、新潟県糸魚川市と長野県松本市を結ぶ大糸線に乗り、とある温泉を訪問しました。
大糸線は全長105.4kmのローカル線で、JR東日本が松本〜南小谷間、JR西日本が南小谷〜糸魚川間を管轄しています。前者の区間は電化され特急も乗り入れていますが、後者は非電化で本数もわずか。JR西日本でも1、2を争うローカル線です。
(画像:http://sionomichi-trail.com/access.php)
地図を見ると、大糸線に沿うように国道147・148号線が走っています。この道は「塩の道」といい、古くから日本海の海産物を内陸に運ぶ幹線道路として栄え、現在も重要な生活路となっています。こんな立派な道があっては、なかなか大糸線ユーザーは増えなさそうですね…。
北陸在住の私もこの区間を何度も通ったことがありますが、正直大糸線に乗るより圧倒的に便利です(笑)
しかし、そんな不遇な鉄道こそ、うまく活用して旅ができないかと考えてしまうのが乗り鉄の性。実は、沿線の小谷村にある「姫川温泉」は駅周辺にも多くの温泉が点在しており、大糸線でも簡単にアクセスが可能。今回は中でも日帰り温泉が楽しめる「瘡(くさ)の湯」さんに行ってみました。
■設備が過剰すぎる平岩駅
糸魚川で新幹線を降り、大糸線に乗り換えます。在来線ホームの端に停まる1両編成のディーゼル車。乗客は数人でした。
姫川温泉の玄関口、平岩駅に到着。糸魚川から36分ほどの乗車。せっかくなので駅も少し見学。
現在は1面1線しかありませんが、駅構内自体はとても広いです。ホームも特急が停まれそうな長さですが、やってくるのは1~2両編成の列車のみ…。
除雪車の車庫もあり、冬期は除雪の拠点駅になるようです。
トイレもありますが、1日に何人の人が利用するのでしょうか…。
時刻表。2~3時間の一本のペースです。1日の利用者数はわずか2人とのこと…(2019年時点)。
2002年まではなんと有人駅だったそうで、窓口の名残らしき区画もありました。今は券売機すらありません。
駅舎の外観も歴史を感じます。
■自然に包まれた秘湯
線路と並走する川を渡り、温泉へ向かいます。空気がおいしい。
歩いて5分ほどで到着しました。人の姿がまったくなかったため不安でしたが、しっかり営業中でした。
ここ「瘡の湯」さんのみ、姫川温泉でも源泉が違うそう。
中に入ると、休憩処で談笑している常連の方以外は、旅人らしき人が1人だけ。知る人ぞ知る感じで良いですね。
浴槽は実にシンプル。お湯はかなり熱めですが、クセがなく気持ちが良いです。外が縁側のようなスペースになっており、熱くなったら自然の風に当たって涼むことができます。
(他にお客さんがいらしたので、画像は「新潟鉄道温泉」さんから拝借しました。)
糸魚川方面へ変える列車まで1時間以上あったため、ゆっくり温まることができました。
せっかく列車で来たのでビールでも飲みたいのですが、残念ながら周辺に買えるお店はありません…(笑)
豪華な温泉旅館も良いですが、こういう飾らないディープな温泉が個人的には大好きです。オススメの秘湯情報のある方は、ぜひコメントで教えてください!
姫川温泉 瘡の湯(くさのゆ)
住所:長野県北安曇郡小谷村北小谷9922-2(JR大糸線 平岩駅徒歩5分)
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
営業時間:9:30-18:00(11月~3月は10:00~18:00)
料金:大人600円、小人300円