#14 上場サッカークラブのSTO活用
今回のPickUpは、ドイツのプロサッカーチーム・ドルトムントが仮想通貨企業・コインベース社と提携を本格化するという記事。
記事では背景が見えにくいが、おそらくコインベースが単純にスポンサーになったわけではなく、ドルトムント独自の仮想通貨発行なども視野に入れて、様々な新しい資金調達手段を探っているのではないかと推測しています。
ドルトムントは上場会社
世界の名だたるチームが自社の仮想通貨を発行して、ファン向けに発行する取り組みが広がっているが、ドルトムントはまだ参入していません。
一方、そもそもドルトムントは株式上場しており、一般投資家とのコミュニケーション慣れており、言うなれば世界中に投資家をつくることの酸いも甘いも知っている珍しいチームです。
だからこそ、コインベース等の仮想通貨大手とのコミュニケーションの中で、新たな投資家層を増やす取り組みを視野に入れていないはずがありません。
STOに期待
個人的にはドルトムントには仮想通貨でもNFTでもなく、STOにチャレンジして欲しいと思います。上場会社だからこそ最低限の財務体質があり、開示資料の準備についてもチームがあると思うので、投資家がより安心して購入ができるトークンであるSTOでファン向けの非金銭リターンを設計することでまた別次元での資金調達が可能になるのではないかと推測しています。
STOとは、主にブロックチェーン技術を活用した新しい資金調達手法の一つです。STOでは、証券的な性質を持った「トークン」を発行し、投資家から資金を募るもことができるのですが、一番大きい特徴としては証券会社が大手をふるって販売できるという点です。
STOを活用すれば、金商法上広く投資家を募ることができるので、サッカーチームのファンに対して証券会社が代理でトークンを販売・説明できるのです。これによってサッカーチームは資金調達の新たな選択肢を得ることができ、証券会社は新たに販売できる(しかも競争力のある)商品を手に入れることができます。
しかし、通常のスポーツクラブは財務体質が不安定で、かつ証券会社に販売を手伝ってもらうための開示資料を準備できる人材もいません。そんな中、ドルトムントはどちらもクリアしている訳ですから、今後の動向に期待せざるを得ません。
以上