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投資界のSNS「Robinhood」

2020年7月、手数料ゼロの株取引アプリを開発する米スタートアップのRobinhood社が約300億円を調達すると発表した。

このRobinhood社は2013年に設立された若い企業だが、これまでに累計1,000億円を超える資金調達を実施し、企業の評価額は既に約9,000億円となっている。

また、2020年になって約半年で同社のアカウントは300万件増加している。

このRobinfood社の躍進には背景がある。

それはとてもシンプルで、アメリカ株が上昇し続けているからだ。

特にIT大手の構成比の高い米ナスダック総合指数は、歴史上の最高値更新を続けている。

また、2021年以降もその株式市場は堅調であろうと言われている。

このように好調な株式市場を背景に、当然に資産を増やした投資家は多い。

投資家が流す良い噂は、もっとも投資を呼び込む。

その証拠にRobinhood社で口座を開設した300人のうち、半数が2020年に初めて投資を経験する人だという。

株価が堅調な時は、群集心理が働きやすい。

そんな追い風も受けつつ、急成長するRobinhood社。

一方で、すでに1,000万口座を超える同社の成長は株式市場だけでは説明できない部分もある。

やはり、外部環境以外にもここまで多くの人に選ばれる理由がある。

それは、ミレニアル世代と呼ばれる1980年から2000年頃に生まれた、いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代をターゲットにしていることだ。

実際に、Robinhoodユーザーの平均年齢は26歳と言われている。

これまで投資・株式と言えば、富裕層向け、かつ若くても30-40歳を超えた層に対するサービスというイメージが強かった。

しかし、Robinfood社の共同創業者Tenev氏はこう語る。

Instagramの投稿と同じくらいシンプルにしたかった

ミレニアル世代は、InstagramやFacebookといった無料のサービスに生まれながらにして囲まれてきた。そしてそのサービスのほとんどはスマホで簡単に操作ができる。

だからRobinhoodは無料だし、スマホネイティブなのだ。

さらには、投資金額は1ドルから可能で、誰でも始められる。

また、同社のプロダクト開発ヘッドは、このようにも語っている。

それ(現金やコンピューターによる自動売買)では面白くない。そこにはS&P 500 indexに対する感情に訴える反応はなく、物語もない。あなたは友達に話すことができない

そう、投資も、自分の考えを表現し、自分の考えを誰か回りの人にシェアする時代になってきているということだ。

同社は、創業時から、投資のSNSを目指す、というような発言もしているし、いまもその方向性で機能を時折拡張している。

このように、Robinhoodは、あらゆる設計がミレニアル向けになっており、次世代の投資を感じさせる。

1ドルから、自分が応援したい企業のオーナーになる体験ができることで、「投資で資産を増やす」ということだけを目的にするのではなく、「投資で企業を応援する」という感覚が、世の中に広がればいいなと思う。

投資の本質に気づく人が増えれば増えるほど、スポーツ含め、多くのチャレンジにお金が循環する世界になっていく。

気ままに更新をしています。マーケティング、フィンテック、スポーツビジネスあたりを勉強中で、関心があう方々と情報交換するためにnoteはじめました。サポートいただけると力がでます。どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m