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ディズニ―の強みはミッションの浸透度
半世紀以上前にウォルト・ディズニーが掲げたミッションがある。
わたしの仕事は人々のため、とくに子供たちのために、幸せを想像することである。
これが、ディズニ―の活動の目的であり、存在の理由である。
このミッションは、今日でもすべてのキャストに伝えられている。新入りのキャストは、すべからく下記のような指導を受けるという。
「わたしたちは、最上のエンターテイメントを提供することにより、すべての年代の人々のためにすべての場所で幸せを想像する」
(『ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法』より)
目標が、幸せの創造
達成手段が、最上のエンターテイメントを提供すること
対象が、すべての年代の人々のためにすべての場所
この定義が、ディズニ―という企業が守るべき境界線を明確に規定している。今後もディズニーはジェット機事業や、ディズニ―銀行の住宅ローンなどのビジネスは始めないだろう。
ディズニ―が提供するのは、今も昔も、テレビ番組、映画、本、テーマパーク、おもちゃ等、それ自体がエンターテイメントといえるコンテンツだけだ。
また、「エンターテイメント」によって「幸せを創造する」というミッションを担ったキャストは、それを最優先に行動する。ミッションが浸透しているから、キャストと顧客との接点で、企業姿勢が如実に表れる。
ディズニーのキャストが起こした感動ストーリーは枚挙にいとまがないが、それもミッションの浸透が強く影響しているのだろう。
このDNAは日本のオリエンタルランドにも継承されている。その人材開発に長く携わった大住氏のインタビュー記事にも明確に表れている。
この記事の中で大住氏は下記のようなことを言っている。
マニュアルに書いていないことこそ、ディズニーの“本当の仕事”であり、“最強”であると大住氏はいう。「ディズニーの最強マニュアルとは、ディズニーの理念“GIVE HAPPINESS”にもとづき、キャストがお客さまを喜ばせ、またお客さまから喜ばせてもらった幸せな体験が自然と広まり、いつのまにかスタンダードとなったこと」と定義づける。
ミッションを短くまとめた『GIVE HAPPINESS』というスローガンにもとづいた行動を、「マニュアルなし」でできている状態をつくるのこと。それこそが、ディズニーの最強マニュアルであると言っている。
無理強いではなく、自然体で全ての社員がミッションに沿った行動をできていることで、結果的に事業領域が明確化し、他社を寄せ付けないサービス・コンテンツを生み出していけるのだろう。
その証拠に、ディズニーは長期的に右肩上がりで事業価値を高めている。あの著名投資家がずーっと保有し続ける銘柄の一つもディズニーだ。
ついに日本でも始まる定額動画配信サービス「Desney+」も、ミッションに掲げられた、エンターテイメントを提供し、すべての人にすべての場所で、とまったくずれていない。
このように、ディズニーがディズニーたる所以が、一つは「ミッションの浸透度」に起因することを、下記の本から学んだ。
全社にミッションを浸透させたいという大きな悩みから、プロジェクトメンバーがよりスムーズに連携できるようにしたいという身近な悩みにまで、多少なりともヒントが得られる書籍だと思うのでお勧めです。
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