情報の伝え方とそれが引き起こす慢心(占い小話④)
こんにちは、木月まことです。
今日は、情報の伝わり方とそれが引き起こす慢心というはなしになります。
今回のはなしは、占い小話という、わたしが勝手にシリーズ化している(ハッシュ)タグの4話目としました。
いわゆる占いと関連付けて、また占いのはなしとして述べたいと思います。
さて、何だかちょっと分かりにくい出だしになってしまいましたが、はなしはとてもシンプルです。
今回は占いのはなしといっても、○☓座の今月の運勢とか、○△年生まれの人の今月の金運みたいな具体的なはなしではありません。
そうではなく、今回は、あるひとつの情報がその伝わり方によって及ぼすエフェクト(影響)についてのはなしです。
たとえば、あなたが占い師で、目の前に恋愛について占ってほしい人が現れたとしましょう。
2人現れたと仮定しましょう。
2人の運勢とも偶然「あなたの思いを寄せている人の気持ちはかなりあなたに傾いている」という卦がでたとしましょう。
これが雑誌の占いコーナーを担当している占い師なら「○☓座は恋は今月がチャンス」と書けばよいのです。
ところが、ひとりの人の相談に近いかたちで訪れてるクライアントには、そのクライアントの置かれている状況によって、ある情報は伝わり方次第で薬にもなれば毒にもなりえます。
たとえば、この2人のうちの片方が、ダメになった恋の復縁に一縷の望みをかけていたとしましょう。
この場合は「相手も今現在あなたを思い出して、あなたに気持ちが傾いているでしょう」と伝えるのは、どちらかといえば(どちらかといえばでしかありませんが)薬になることが多いでしょう。
しかし、もう片一方の人は、慢心のようなものによって恋をふいにする経験を繰り返していたとしましょう。
半分は、占い師を試してやりたいという気持ちが混ざっていたとしましょう。
この場合は「相手の気持ちは今現在かなりあなたに傾いています」という情報をストレートに与えてしまうのは仇になる可能性もなきにしもあらずです。
うさぎと亀の寓話はほとんどの人が知っていると思いますが。
競争の途中で、あるいは競争が始まる前に「勝ったな!」と確信したうさぎは競争の途中で昼寝を決め込んでしまい、昼寝から覚めると、絶対負けるはずのないと思われた亀にもはや絶対逆転はありえないほど差をつけられているのです。
慢心というものが、まさかの敗北を引き起こすこの寓話を知らない人はいないでしょう。
この場合は「あなたに優位」を指し示す情報は仇になる可能性の方が高いでしょう。
慢心は、果報は寝て待てみたいな絶対受け身とでもいう姿勢をリードしかねず、また詰めの甘さを随所に引き起こすかもしれません。なぜなら勝ちは当確という情報が与えられているからです。
こうなりますと、結果が思わしくなかったとき、「あなたに優位っていったじゃない!このペテン師!(怒)」という結果になりかねません。
このように、ある同じ内容の情報は、それを伝える相手の状況や、相手の情報を利用する性向・性癖のようなものによって、毒にも薬にもなるということです。
(あとがき)
この文は主に情報を与える側の注意を喚起したつもり(また自戒の念をこめたつもり)ですが、受け取る側についても同様のことがいえることが多いでしょう。
雑誌の占い、アプリの占い、本の占い等、何らかのかたちで占いを参照している人も多いでしょうが、今月の、今週の、または今年の運勢、金運、仕事運、恋愛運みたいな情報は、用いる側の用い方次第ではマイナスにもなりえます。
これはもちろん占いに限ったはなしではなく情報全体にいえることだと思います。
また、今回は「慢心」ということで書きましたが、逆に情報の伝わり方が引き起こす「絶望」と言い換えたとしても、ほぼ同じ内容の文ができたかもしれず、例のはなしで混乱してる人が増えてる今日現在ではひょっとするとそっちのほうがよかったかもしれません。