風の時代というより水の時代では?(風の時代考③)
風の時代って何?
いや、西洋占星術のあれです。
あれって?
いや、西洋占星術で、ふたご座・天秤坐・みずがめ座の3つを「風」のエレメントと言いまして
ここで詳述は避けますが
「地」の時代(おうし座・おとめ座・やぎ座)という権威の時代が終わって
「風」の時代(ふたご座・天秤座・みずがめ座)が来たっていうのが、西洋占星術による、いまの時代の解説なんです。
権威の時代(地の時代)っていうのは、帝国主義の時代は軍事力
それ以降は、経済・物質による権威ヒエラルキーができてたわけです。
軍事力の限界が露呈したのは、第二次大戦時の原爆だと個人的に思ってます。
軍事力は、どこかの国に勝利をもたらすというより、人類を滅ぼすのでは、という疑問が生じました。
しばらくは経済の時代になりましたが
貧富の格差が広がると、物質界の権威もビミョーになりました。
というのは、お金持ちが一方的に富を独占する世界をつくっても
最終的に世界は、お米をつくったりキャベツをつくったり
道路を整備したり、車や飛行機を運転する人のおかげで成り立ってるからです。
こうした閉塞に風穴を開けるのは風のエレメントの役だと言われてきました。
西洋占星術の世界の「風」のエレメントとは、元来、距離を隔てて、人を結びつけるものという意味があると思います。
ヨーロッパの人と、日本の人が情によって結びつくのは、ごく個人的な関係に限られることが多いでしょう。
でも「E=MC²」という公式は、ヨーロッパでも日本でも共通です。
こういった、遠方の人同士を結び付ける「情報・知識」が本来の「風」エレメントの守備範囲で、主に「思考」と関係づけられてきました。
ところが、風の時代論では、風は軽さと同一視され、ある意味、面白いチャラ男さんの時代と同義と考えられたみたいですが
本来の「風」のエレメントというのはまったくそういう意味ではないのです
チャラ男さんや、面白い人というのは、日本で言えば、お笑いタレントみたいなエンタメ精神のある人でしょうか?
でも、たとえば、タモリやさんま、松本人志みたいな人は
日本でどんなに権威扱いされても、日本を一歩でも超えるとほとんど意味を持ちにくくなります
つまり、そういう意味での面白いはほとんど
ドメスティック(国内的)であり
「E=MC²」みたいな遠方伝播性がないのです。
こういった、ホームグラウンドな世界は、「風」ではなく
むしろ「水」のエレメントの守備範囲です。
権威の世界が崩れてしまった時代には
「風」によって何かに風穴を開けるより
「水」の性質によって、ホムパ(ホームパーティー)的なつながりをつくるほうがしっくりくるのかもしれません。
「E=MC²」みたいな画期的発見(発明)より
小さなバーベキューが無数に催されてるような世界になるような気がします。
実際「水」の星座(かに座・さそり座・うお座)の人々は、バーベキューやホムパみたいな狭い枠のホームグラウンドをつくるのはお手の物という人が多い印象を受けます。
SNSの時代は、無数の情報が錯乱していて、権威がなし崩しになっているので
「風」の出番はむしろ希薄だと思います。
(あとがき)
「風」の出番はないと言いましたが
無数の説が乱立するSNSの時代は、そこでのそれぞれの意見に違和を感じた個人が論破衝動に飛びつくという不毛が起きやすい気もします。
「結局は、波動だ」などと言ってみたところで
個人が個人としての生を生きるのに「情報や知識」が、権威のない時代にどれほどの意味を持つのかはよく分かりません。
権威がある時代であれば、既存の情報や知識を集めて勉強などをして収集することで、人生状況をよくすることもできたでしょう。
しかし、権威がなし崩しになっていて、しかも、カネも地位もない人にとって「情報や知識」(ITガジェットなどの使い方とかを除いて)がどれほどの意味を持つのかも何とも言えないところがあると思います。
「風」の出番ははたしてあるのでしょうか?