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映画「今夜、世界からこの恋が消えても」

「今夜、世界からこの恋が消えても」

福本莉子と道枝駿佑が主演の映画で、
原作は、一条岬が書いた小説だ。

ストーリーは、
1日ごとに記憶を失ってしまう少女と、
クラスメイトの文学少年の恋愛物語。

まだ映画化になる前から、
この小説が中高生の間で話題になっていたのを
SNSでよく目にしていたのだが。



当時23,4歳だった私は、
若い人向けの物語だと思っていて
特に興味は示していなかった。


今回観てみようと思ったのは、
韓国で道枝駿佑が「ミチゲッタシュンスケ」と言われ、おかしくなりそうなほどかっこいい!と話題になっていたからだ。


観よう、観ようと思っていたら
2年が経っていた。
時の流れが早くて恐ろしい。


感想として。
(以下、ネタバレ有です。)

おかしくなりそうなほど
道枝駿佑がかっこよかった。



道枝駿佑演じる、神谷徹。
彼はとにかく優しい男だった。


最初はクラスメイトからの嫌がらせで
神谷透が日野真織に告白するところから始まる。


神谷透にその気持ちはないし、
日野真織も神谷透のことは知らない。


でも、日野真織はOKを出す。


そこから2人は、

①放課後まではお互い喋らないこと
②連絡のやり取りは簡潔にすること
③本気で好きにならないこと

の3つを条件に、
偽の恋人として関係をスタートさせる。

透はもちろん、記憶のことは知らない。


でも、真織がある日のデート中に寝てしまい、
起きた時に記憶がなくなってしまったことで
透も真織の記憶のことを知ることになる。

透は、関係を解消しようと謝る真織に、
記憶の話を透にしたことは日記に書かず、
明日の真織をだまそう、と持ちかけ、
彼女もそれに応じる。

その後彼は、
「日野の日記を楽しい思い出で埋め尽くすんだ」
と毎日、それだけのために彼女と一緒にいるようになる。

毎朝日記を見て絶望する彼女が、
少しでも楽しい気持ちで朝を迎えられるように。



彼女の記憶には残らないのに。


自分だけが一方的に持ち続ける思い出を
作り続けるって、どんな気持ちなんだ。
優しすぎるし、切なすぎる。


中盤、花火のシーン。

「3つ目の約束、破っていいですか?」

と聞く日野真織に対して

「僕はもうとっくに破ってる」

と返し、キスをする神谷透たるや。


映像美も相まって
年甲斐もなく、めちゃくちゃドキドキした。


そのシーンの直後、学校からの帰り道。

彼は、友人で真織の親友でもある綿矢泉に、
昨晩急に倒れてしまい、心臓が弱い可能性があるかもしれない。と言い、
もし自分がいなくなってしまったら、真織の記憶から自分を消去するようお願いする。

その時は、
「いつどうなるか分からないからさ」
と軽く言っていたのに、
結局彼は、次の日に突然死する。

綿矢は、1人で透の死を抱えきれないと、
真織の記憶(日記)から透を消さず、
亡くなったことを伝えた。

ところが、記憶はなくても精神的に弱ってしまった真織のために、透のお姉さんと協力し、
結局は真織の記憶から透を消去する。


お姉さんが日記を書き写す時、
どんどん神谷透の名前が消えていくのが
切なくて、むなしかった。

さっきまで、楽しい思い出を作り続ける微笑ましい2人を見ていたのに、
突然、その楽しい記憶から透が消えていくのだ。
あまりにもギャップが激しすぎた。



映画の中で透が真織に伝える一言一言が
暖かく、優しいものばかりで。


本棚の後ろから出てきたクロッキー帳に描かれた
透の絵を見てから、
記憶はないはずなのに手が覚えてる、と
何枚も何枚も透の絵を描く真織が切なくて。


透の優しすぎる愛と
真織のまっすぐな気持ちが眩しかった。

記憶は残らなくても「手続き記憶」として
透との思い出が真織の中に残っていて、本当によかった。


鑑賞後は、暖かくて切ない気持ちでいっぱいになる。そんな映画でした。


見てよかったーーーーーーー!


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