「画期的ネコの腎臓病治療薬」をつくる“クレージー侍”宮崎徹先生は、明日も道場の門を叩く
世界中すべての猫下僕が待ち望む「夢の腎臓病治療薬」。その開発が着々と進んでいることを一般社団法人AIM医学研究所の宮崎徹所長にインタビューし、JBpressで公開しました(2023年9月8日)。
宮崎先生にお話を伺うのは、この記事で3回目です。毎回、猫下僕としてははやる気持ちを抑えながら伺うのですが、専門的なお話をわかりやすく説明して下さり(私は超文系)、本題以外にも医療のこと、研究生活のこと、そして音楽のことなどたっぷりと豊かな話題に触れる機会をいただいています。
今回の記事は、全体が長くなってしまって最後の部分がカットになってしまいました。私としては力を入れたエンディングだったので、編集部と宮崎先生の許可を得て公開します。ぜひ、記事と合わせてお読み下さい!(JBpressの記事は無料会員登録で10/28まで読むことができます)
“クレージー侍”宮崎先生は、明日も道場の門を叩く
――宮崎先生は音楽の表現者でもおられますが、説得力のあるプレゼンや計画書作りに関係しているでしょうか。
宮崎 そうかもしれません。演奏にしてもプレゼンにしても物語を表現し、ここぞという山場に向けて盛り上げていくことは説得力に繋がります。相手にわかってもらえなければ全く無意味ですし、かといって自己満足では本当につまらないものになってしまいますよね。
――「クレージー侍の道場破り」というコラムで、先生の型破りな研究人生について書いておられましたが、これからも学会という名の道場の門を叩いていかれるのでしょうか。
宮崎 以前と比べるとずいぶんサポーティブな学会が増えましたけれど、まだまだ孤独な道場破りが続くだろうと思います。とにかくAIM治療薬を世に出すことが大切で、まずは腎臓での申請を目指し、そこから適用拡大でさまざまな病気に使っていけるようになればいいと考えて人間用の治験薬もレシピ作りも猫薬と並行して進めておりましたので、今年度中にレシピを完成させることを目指しています。
――先生の最近の関心ごととか、楽しみは。
宮崎 やっぱり今は仕事が楽しいです。先ほど申し上げたように、ビジネス的な活動はこれまでやったことがなかったので頭の使い方も違うし、これまで出会うことのなかったような人たちとも関わるようになって、大変ではありますが純粋に楽しいですね。
あとは、数年ぶりに1週間の夏休みを取ってザルツブルグに行き、音楽三昧をしました。コロナ禍では生演奏に触れる機会がなくなって、もうオンラインでいいじゃないかという意見もありましたが、やはりライブ・パフォーマンスは最高です。私も講演のほとんどがオンラインになっていましたが、ようやく感染に注意をしながら対面での講演が許されるようになりました。やはり目の前に聴衆の皆さんがいると、双方の熱の伝わり方が全然違いますから、生身で交流することの大切さを実感しています。
――先のコラムで「患者さんがそこにいるから我々はここ(医学という領域)にいるのだ」と書いておられました。
宮崎 「なぜ我々がこの医療という現場にいるのかということを決して忘れてはいけない」と故・木村健教授に言われたことは、今でも遵守しているつもりです。猫であれ人であれ、そこに患者さんがいる限り研究を続け、資金が必要ならプレゼンして理解と協力を得るべきだと思うのです。
けれども、患者さんに過剰な期待を抱かせたり煽ったりすることは、医者としては絶対にやってはいけない。なので、利益追求に偏った創薬ビジネスはしたくありませんし、きちんと薬が認可されるまではあまり大声を出してはいけなのではないかとずっと思っているのですよ。猫にも人にもAIM治療薬を届けられる日まで、私たちは粛々と走り続けます。
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