”中小企業支援×WSD”を考えてみた
大変ご無沙汰してしまっております。
WSD(ワークショップデザイナー)の授業が終わり、自分の新たな学ぶべき分野もみえてきたところで、そろそろ整理が必要だと思い、アウトプットします!
中小企業支援のあり方
経営者が求めているものは何か
中小企業の経営者は、とにかくマルチタスクが多く一人で抱え込みがちです。時間がない、人もいない、お金もない。三拍子揃っているのは常の中で、支援者に求められていることは何だろうか。
より短時間で成果のあがるもの、社長がほしかったものに出会えることが必要なんだと思います。
また、あらゆる中小企業支援者と会話する中で見えてきたのは、”社長に変わって言語化してあげること”の重要性です。
「そうそう、これが欲しかった」
「これが言いたかった」
「なんとなくモヤモヤ思っていたことの根幹はココだったのか~」
といった具合に、脳内ではある程度の想いはあるが、うまく伝わらない、何を話せば伝わるかわからない。何がわかっていてわからないのかが整理がつかないなど様々。対外的にわかるように伝えるためにはわかるように示す必要があります。その支援を担っているのが、中小企業の支援者である中小企業診断士の役割と思います。
経営者との目標設定
短時間で成果が上がることは、だれもが欲しいところですが、何を成果とするのか、経営者との目標コミットも重要な要素です。最初にこれを明確にコミットしておかないと、支援内容と経営者がして欲しいこととのギャップが大きくなり満足度低下につながります。
省察の重要性
青山学院大学でWSDの学びを進めていく中で、省察の重要性は再認識できました。特に起こった事象を抽象化して概念化することです。経営者に取っては、何が足りず、今回何をすることで解決できたのか、ここを整理するところまでをセットできれば、経営者自身の自走化が進むと考えています。もちろん経営者自身が自身の事業に真剣に向き合い、何とかしたいと思っていることが前提となります。
WSDの必要性
中小企業支援とワークショップ(WS)との関係性
上記で経営者が求めている支援は、「短期間で成果があがるもの」「言語化」が大半です。
言語化するには、何等か対話を繰り返し、真意を突き止める必要があります。うまくいっていない事象の原因を特定して対策を講じたい、企業内で何となく浸透してる暗黙知化しているものをルール化・マニュアル化したい、企業の存在意義やありたい姿をビジョンやミッションという形で表現したいなど様々な言語化の形があると思います。皆が考えていること、イメージしていることをアウトプットしてみる、それを短時間で形に表してみる、皆で共有する場、それがまさしくWSとなります。WSは最終ゴールではなく、”短時間でヒントを得られる場”が正しい理解と思っています。
WSで何の題材を取り扱って何について語るのかは、都度経営者と支援者間でのすり合わせが重要であり、ここが目的セットになってきます。
ワークショップデザイナーに求められるスキル
経営者と短時間で成果を出して言語化していくために有効な手段の1つとして、WSがあることは上記で述べました。では、このWS開催にあたり重要になってくるのがどうやって進めるのか?です。この進め方をデザインし、なるべく最高の成果が上げられるよう構成を考えるのがWSDという専門家の仕事となります。
WSDが必要なスキルは以下3つと考えています。
プログラムデザイン力
ファシリテーション力
リフレクション力
1.プログラムデザイン力
最終目標を設定し、ワークショップを通じて依頼者は何を実現したいかを明確にし、合意を取ること。また、この最終目標のために、活動目標を設定し、参加者をイメージしてどんなステップでどんな意図をもって何に取り組んでもらうのが最適かを検討し、最適な順番を組み立てること。デザインプログラム力とは、この過程すべてを言語化してプログラムとして落とし込んでいくスキルのことを言います。ここを考え抜けるのがプロの仕事だと思います。
2.ファシリテーション力
WSDではF2LOモデルを紹介してもらいました。WSの現場では行為の中での調整が常に行われています。ファシリテーション力とは、考えたプログラムがマッチングしているか、参加者や場の雰囲気とフィットしているかを意識しながら、必要に応じてチューニングしながら進められる能力のことを言います。あくまで最終目標に至るために、プログラムデザインを場にマッチさせるためにはどうするのが有効か、また参加者がどうすればより積極的に参加して自身の学びにつなげてもらえるかを考え抜ける能力がファシリテーション力であり、プロとして求められる力だと思います。
3.リフレクション力
「実行前」「実行中」「実行後」でそれぞれリフレクションは存在します。この能力は、自分自身のプログラムデザイン力の向上のため、また依頼者へフィードバックし自走化いただくための支援として必要な能力と捉えています。
「実行前」は、出来上がったプログラムデザインを振り返り、本当に最終目標に到達できるプログラムになっているのかの省察。意図したことに対する足りない要素の洗い出し、仮説の甘さ、実現可能性、難易度など、自分での見直し、他者によるフィードバックなどをもらいながら完成度を高めていく能力のことを指します。
「実行中」は、上記で記載したように、当日その場で参加者からもらう反応がリフレクションすべてであり、その場で小刻みに調整していく力そのものを指します。
「実行後」における省察が最も重要となります。自分自身のプログラムを磨き上げていくためにも必要ですが、最も重要なのは、依頼者へのフィードバックのための省察が重要と思います。依頼者が達成したかった最終目標に対してどの程度達成できたのか、どのように達成に至ることができたのかを振り返り、抽象化して再現可能な状態に持ち込む。これができるのがプロの仕事だと思います。WSとう形でコミュニケーションを通じて得られることはこれだ!と見せることで、次回以降は各現場で自身で実施してもらいたい。という思いを込めて、私はここを重要視していきたいと思っています。
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WSの強みを活かした中小企業支援策
WSの強み(特徴)は、短時間で参加者の想いを引き出しアウトプットできることです。
これを活かした中小企業のご支援ができる策はどんなものがあるかを考えてみました。例えば、WSとしてこんなコンテンツができるのはないかを思っています。今、経営者が悩んでいること、明らかにした方がいいと思う経営課題があれば、「中小企業診断士&WSD」の支援できる領域ではないかと考えています。
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同じ志を持つ方と一緒に支援がしたい
「中小企業診断士×WSD」として、対話することの重要性を原点としながら、中小企業の活性化に貢献したいという仲間がいれば、是非一緒に活動していきたいと考えています。
プログラムデザインやリフレクションのためにも、同じ経験を積んだ仲間と一緒に支援策を検討していくことが、今自分にできる社会貢献の一環と考えています。
以上