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Eric B. & Rakim / Paid In Full (Seven Minutes Of Madness - The Coldcut Remix)①
ヒップホップにおいて時代を変えたアルバムはいくつも存在するが、その意味においてマスターピースは数少ない。そんな真のマスターピースのひとつが87年7月にエリックB&ラキムによってリリースされたデビュー・アルバム『Paid in Full(全額払い)』だ。このアルバムは、06年にMTVによって史上最高のヒップホップ・アルバムに選ばれ、2011年にはロックンロールの殿堂入りを果した)。
ドル紙幣をバックに、カンゴール・ハットにゴールド・チェーンとメダリオン、ダッパー・ダンのスーツ・ジャケットに身を包んだふたりのジャケット(裏ジャケにはファミリーの集合写真)は、当時のヒップホップ文化を映し出した見事なアート・ワークだ。
MCのラキムは、ニューヨーク州ワイヤンダンチ出身。R&Bの女王、ルース・ブラウンの甥としても知られる。Wikiによると10代からリリックを書き始めワンヤダンチ高校で初のライヴを行ったようだ。その後、ラッパーとしてのスキルを認められキッド・ウィザードと呼ばれていた。彼は、ネーション・オブ・イスラムに入信し、その後、5パーセンターへ参加した。
エリックBは、ニューヨーク州クィーンズ出身。高校卒業と共にターンテーブルを手に入れDJを目指しブロック・パーティーやクラブDJの腕を磨いた。その後、ニューヨークのFM局〈WBLS〉のDJを始めた。
そんなふたりが出会ったのは、同郷のプロモーターの紹介だった(当初はフレディー・フォックスを紹介しようとしたが彼が家にいなかったのでこの話は流れた。レコーディングに来なかったという説もあり)。
すぐ意気投合したふたりは、エリックBの友人でルーム・メイトだったマリー・マール指導のもとで「Eric B. is President/ My Melody」をレコーディングした。当時ラキムは18歳、エリックBは23歳だった。
ザ・モホークス「The Champ」、JB「Funky President」、マウンテン「Long Red (Live)」のブレイクビーツをメガミックスしたようなビートを下敷きに、フォンダ・ラエ「 Over Like A Fat Rat」のベース・ラインをのせ、定番声ネタをスクラッチやオープンリールのリバース音で被せていくという当時のヒップホップの王道ともいえる制作方法で仕上げられた(この頃のヒップホップは、DJよるダンス・ミュージックともいえる)。86年に自主レーベル〈Zakia〉から12インチ・シングルをリリースした。当時のクレジットはご覧の通りだ。先輩をたてた形になっている。
このシングルは瞬く間に評判となり、ご存知ラッセル・シモンズがプロモーターを務める「Rush Entartiment」入りした。その後、すぐに〈Island Records〉傘下の〈 4&B'way Records〉と契約し、マーリー。マールのホーム・スタジオと〈Power Play Studio〉で約一週間(!)という短期間でレコーディングしアルバムを完成させた、その先行シングルとして「Eric B. is President/ My Melody」が再リリースされた。〈Billboard〉のHot R&B /hiphop Chartで48位、Hot Dance Music/Maxi Single Chartで 40位を記録した。続く,,,
余談だが、ミキサーのクレジットにMCシャンの名前が、、、彼は一体なにをしていたんだろう?調べても調べてもその情報は一切なかった。
UK盤はExtended Versionを収録してリリースされた(Rakimの名前がない)。
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