「会話を楽しむ絵本カフェ」店主が語るこれからの本屋のかたち―『京都 古民家カフェ日和』刊行記念⑤ 取材こぼれ話
京都・西陣に「会話を楽しむ絵本カフェ」として観光客やリピーターを集めている古民家カフェがあります。
「本屋は街の灯火であるべき」
そう語る店主が描く本屋像は、電子書籍ならいま読める、Amazonなら明日本が届くデジタル時代の、新しい本屋さんの在り方かもしれません。
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川口葉子さん著『京都 古民家カフェ日和』(4月16日刊)の発売を記念して、全5回のコラムを連載しています。
最終回の本記事では、『京都 古民家カフェ日和』で取材させていただいたなかから、「絵本カフェMébaé」の店主・洞本昌哉さんから伺ったお話をご紹介します。
京都出身で、京都を中心に展開する「ふたば書房」の社長でありながら「絵本カフェMébaé」の店長も務め、絵本専門士として毎日お客さまと接する洞本さん。
取材時のお話は、「絵本カフェMébaé」がある西陣地区の昔とこれから、いまに刺さる絵本の魅力、デジタル時代の本屋さんの新しいかたちなど、多岐にわたりました。
そのお話のおもしろいこと!
文字数の都合ですべてを本には掲載できませんでしたが、そのまま眠らせておくのはもったいない! ということで、noteの場を借りて皆様にご紹介したいと思います。
(場所:絵本カフェMébaé、聞き手:著者・川口葉子さん、まとめ:編集担当・大友恵)
\お話をうかがった絵本カフェMébaéを掲載/
「絵本カフェMébaé」とは
「ふたば書房」が運営する、京都・西陣の町家を再生した絵本専門のブックカフェ。約600冊の蔵書のなかから、絵本専門士がおすすめの絵本を紹介してくれる。
洞本昌哉さんプロフィール
京都府出身。「株式会社ふたば書房」3代目社長。「絵本カフェMébaé」の店主でもあり、絵本専門士、JPIC読書アドバイザー資格を取得し、読み聞かせ活動にも積極的に参加している。
西陣は地元の文化を大切にしながらも変わり続ける、新しい街
――カフェはいつオープンされたんですか?
2016年9月25日にオープンしました。
――この建物との出会いは?
この古民家があることは以前から存じ上げていました。もとは民家だったのが漬物屋さんになって、遠方からも人がいらっしゃるような人気店だったんですが、その後、閉店されて。それを知って、あわててうちがお店を出したいと申し出たんです。
――ここはどのような街ですか?
僕が生まれ育ったところで、同級生もいっぱいいます。
一時期は、隆盛を誇った商店街だったんですよ。西陣織の街なので、僕らが子どものころは「ガチャマン」といわれて、織機を1度ガチャっと動かせば、1万円儲かったというくらいで。
いまは繁華街といえば河原町ですが、昔はこの近くの千本通も繁華街としてにぎわっていました。市電が走って、銀ブラならぬ「千ブラ」という人もいましたね。京都市は伝統産業とともに育ってきた市ですが、このあたりは織物によって育った街なんです。
京都には「五花街」(ごかがい)といって、五つの花街があります。一番有名なのは祇園ですが、五花街のひとつ、上七軒はこの近くにあって、いまでも芸子さん・舞妓さんがおられます。
僕らが子どものころは映画館もたくさんありましたし、派手な時代もありましたよ。
――夢のような時代ですね。
そうです。この商店街もいまは一方通行ですが、昔は車もたくさん行き来していました。京都市の意向で一方通行にしまして、それが商店街のすたれた原因だとこのあたりでは言っています(笑)
ただ、人通りがあって歩道が広いので、私たちのような新しいお店がオープンしやすい。新しい人たちが入ってきて、これからまた毛色が変わっていく、新しい街でもあります。
――新陳代謝されているんですね。
そうですね、僕らのような団塊ジュニアが地元に帰ってきている感じがします。
京都は特に古い町なので、小学校から高校まで同じ校区で、同級生はそろって一緒の学校に進学します。おやじもおじさんも妹も、みんな同じ小中高に通う。だから、みんなが知り合いの街ですね。
よその街に比べて商店街がまだ残っている理由は、そこにあるのかもしれません。
――地元の文化が根強いんですね。
特にここは、「西陣」と言い続けていますね。行政も伝統産業としてそれをつなげようとしています。実際、それによって潤うところもあるんやと思います。
いまはコロナでなくなりましたが、海外から、特にヨーロッパの織物関係の方々が見学に来られることはよくありました。西陣の織りの技術を製造過程に取り入れたいということで。同級生たちは、ヨーロッパのスーパーブランドとお取引していることも多いですね。「あの部品はうちが作った」「あの刺繍はうちが」と。「えー!?」なんて驚くこともあります。
小さな絵本カフェで人と人、人と情報をつなぐ
絵本カフェMébaéは、地元の幼馴染や、その子どもたちに支えられていますね。「絵本専門の古民家カフェ」という特徴的なことをしているので、京都旅行の目的のひとつとして、遠方から来てくださることもあります。
僕はふたば書房という会社の経営者であり、絵本専門士という資格も頂戴しているので、この店を社長室兼絵本カフェにしています。
僕がここにいることで、出版社の人や、作家の卵、絵本の大ファンの人が来られたりして、小さいこの空間で、人と人の交じり合いがおきていて、それがすごく面白いです。
――絵本専門士とは、何ですか?
文部科学省の外郭団体「国立青少年教育振興機構」が養成している、絵本に関する知識を持った専門家の資格です。自分は2期生で、今は8期生の最終選考時期です。1年間に60~70人しか講習を受けさせていないので、狭き門ですね。毎回800~900人の応募があるそうです。
――それはすごい。絵本専門士にご相談したら、どのようなことを教えていただけますか?
絵本の成り立ち、本が作られる工程、絵本や読み聞かせの効用などを勉強しているので、それらを踏まえて絵本をおすすめいたします。
絵本は子どものものと思われがちですが、絵本専門士の考え方としては、このすぐれた文化を楽しむのは子どもだけではもったいないと。大人から子どもまで絵本を楽しみましょうと教わっています。
大人が読んで感動する、人生が変わるような絵本もたくさんあります。そういう多様な絵本の魅力を広めていきたいですね。
「会話を楽しむ本屋さん」という新しいかたち
――お客さまはどのような方が多いですか?
絵本専門店と言いながら、お店の雰囲気もあってか、お客さんはどちらかといえば大人の方が多いですね。保育士さんを目指す学生さんや、保育園へお子さんを送り預けたママさん。コロナの前は、広島や岐阜など遠くからきている方もいらっしゃいました。
普通の本屋では難しいですが、ここではゆっくりお客さまとお話しできるので「また買わされるわ~(笑)」なんて言われながらお話をしています。
――お客さまとの会話が多い本屋さんなんですね。
自分のポリシーとして、全員とお話するようにしています。ひとりたりとも放っておかないようにと。話をするために来店されるお客さまもいらっしゃいますね。お客さま同士で話が盛り上がることもあって、ちょっとほかにはない不思議な空間になっています。
皆さんがおっしゃるのは、絵本を見るだけでなく、コーヒーを飲むだけでなく、何か別な面白いものが得られる、と。リピーターが多いお店ですね。
本屋さんの新しいかたちなのかなとも思います。普通の本屋さんは委託なので薄利多売で、本をたくさん売らなくてはならなくて、一人ひとりのお客さまにあまり時間をかけられません。
ここはカフェを併設しているのでそちらでも収益を得られて、お客さまには本をじっくり選んでいただける。そしてよければまた来てください、というかたちをとれます。
――今後は、どのような展開を考えていらっしゃいますか?
できることなら、この本屋×カフェのモデルを広めたいんですが、経営はなかなか厳しいですね。軌道に乗れば、2号店、3号店は考えていきたい。やる意義はあると思います。
――収益的に難しいのは、どのような理由が考えられますか?
ひとつ、このお店は立地が厳しいです。みんなからも「1号店をどうしてあんなところに出すんだ」と言われました。でもこじんまりしたものにしたくて、この建物にほれ込んでしまったから。目論見では、もっといけると思てたんですけど(笑)。
きっかけがあれば、街中で人通りが多くて、面積が広いところでやりたいというのはあります。その場合も、絵本専門士などの資格を持つ人が常在して、一人ひとりとお話をできるかたちまでつくりたいですね。
――ほかのお店では真似できないですね。
できないですね。普通のお店では、取り扱う冊数も多いので絵本専門士が仕入れる問屋さんとの口座開設も難しいです。
「そんなに頑張らなくていいんだよ」いまに突き刺さる絵本のメッセージ
僕が経営するふたば書房という本屋さんの立場から見て、いま絵本のマーケットは大きく膨れきています。
日本国内はもちろん、翻訳版も海外に多く輸出されていますね。
2019年、中国の国際児童書展に参加させてもらったときも、日本の絵本のいきおいを感じました。展示会のど真ん中で、ヨシタケシンスケさん*がブースをもっているんです。tupera tuperaさん*も、13か国くらいで翻訳されています。*日本の人気絵本作家2組
絵本は絵とともに言葉が凝縮されていて、余白があり、読んだ側に考えさせますよね。だから、世界でも通じるのかもしれません。
ヨシタケシンスケさんの絵本には「そんなに頑張らなくていいんだよ」というメッセージが入っているので、それがいまの時代に合っているなと感じます。
特に中国ではその衝撃が強かったようです。これまで中国では、子どもの本=勉強の本だったらしいんですね。歴史や理科や。そこへ、「無理しなくてもいいじゃないか」と、本音で求めたいたことを伝えるヨシタケさんが出てきたので、突き刺さったみたいです。
そうした面白い絵本を紹介できると、この店の存在意義があるのかなと思います。
「京都本大賞」で、京都や出版界を元気に
ふたば書房では本の販売につながる取り組みとして、京都が舞台の「京都本大賞」を開催しています。本屋大賞の京都版。本を読まないなら、身近なエリアのことだったら読んでくれるんじゃないかという発想です。幸いにも、京都が舞台の本は年間40冊くらいでているので。今年で8回目です。
――今年はどんな本が大賞になったんですか?
今年は珍しく、大ベテランの先生が獲られました。
『二十年目の桜疎水』の大石直紀先生。僕たち京都本大賞実行委員会で3冊までしぼりこんで、京都市内の読者の方に投票してもらいました。これがえらい売れまして。表彰式では先生の奥様も「もうやめさそうと思てました」と涙されていました。
――じゃあ、みんなが幸せですね。
そうですね。一緒の事業をすることで、組合や実行委員会のメンバーも仲良くなりますね。
第4回では『京都寺町三条のホームズ』望月麻衣先生が受賞されて。それからは破竹の勢いです。京都新聞で京都市長と対談されるまでになって。
うまくはまれば、読者はちゃんとついてきてくださるんですよね。本も売れますし。
これと近しいことが、今後、絵本でも起こってくる可能性があると思います。
これからの本屋さんは電子書籍・Amazonにない「提案力」が鍵
――(近くの本を指して)そちらの本は、何年のものですか?
1988年刊行、2017年に改訂して、178刷りですね。
――すごい!
児童向けの出版社さんが強いのは、子どもは成長してすぐに読者が入れ替わるので、エースの作品は毎年ずっと売れ続ける点ですね。
困っているのは本屋ですよ(笑)
――絵本にも電子書籍は入ってきていますか?
入ってきています。絵本は、新しい作家さんが入りにくい世界なんです。そこに入れない人がまずデジタルで、評判が良ければ紙に、という流れは多いです。
お客さまにとって、電子書籍は便利ですよね。また紙の本でも、Amazonさんはすぐに送ってくれる利便性があります。
そんななかで、これからの書店は、機械的にものを流しているだけでは、ダメだろうと思います。何かこちらから提案していかなくては。
この店には絵本が600~700種類ありますが、基本的にすべて私の頭の中に入っているつもりです。お客さんが「こんなものを」とおっしゃったとき、あればお渡しして、もしなくても近いものでこちらがある、とお伝えできます。
ゆっくりお客さんとお話して対応していくことは、商売の原点かなと思います。
そういう意味で、絵本カフェMébaéはちょうどいい空間です。この広さですから、ほしい本が絶対あるとは、お客さんも思っていないので。
4年やっていると、「おまかせで選んで」というオーダーもあります。「2歳の子に会うんやけど、5000円くらいで選んで」とか。
そんなときは、その子がふだんから絵本に親しんでいるかどうかをお聞きします。たくさん絵本を読む子なら、持っているものとかぶらないように新しい本を、ふだん読まない子なら、図や絵などが多いものを。
――ではそこで、絵本専門士の知識がいきますね。
そうですね。絵本専門士は、個々の商品というより考え方を学んでいます。
最近、特に学ばなくてはいけないのは著作権侵害ですね。悪気はなくてやってしまうことが多いので、勝手に絵本のキャラクターで人形を作ってフリマやネットで売ってはいけませんよなど、一応、ご注意をします。
本の世界はある種、守られています。一度流出するととめられないのは、デジタルの怖さでもあります。
国会図書館はデジタルでの納品が始まっていますね。利用者にはデジタルで配信されるので、順番待ちがなくなります。
ただ、物語を書かれている作家先生にとって、デジタルはつらいと思います。瞬間的に売れる点ではいいのかもしれませんが。
コロナ禍で見えてきた書店・雑貨店、それぞれの強みと弱み
――ふたば書房の社長業に就かれたのはなぜですか?
たまたま、生まれた家が本屋だったので。僕が3代目です。
――長く続けてこられた秘訣はありますか?
知り合いばかりが住んでいる独特のロケーションが、続けられている秘訣かなと思います。
輸入雑貨も販売していて、本と雑貨を合わせて売るというスタイルは、いまでは蔦屋書店さんなどで隆盛ですが、うちは20年前くらいからはじめていました。
コロナ禍になって、雑貨店が大きく影響を受けたんです。今すぐ必要じゃないものを販売していますから。
お客さんが来られなくなると、雑貨店はつらいです。とくに緊急事態宣言の出た2020年4月は、4月はじまりの手帳やカレンダーのあるタイミング。クッキーなど賞味期限のあるものも含め、お店が入っている商業施設が全館を閉めてしまったら、これらは全部ごみになります。
一方で、本屋には巣ごもり需要で人がきました。商業施設が閉まったとしても本屋は委託事業なので、販売するタイミングを失った本は出版社さんに返品させていただけます。一円も損をしません。非常に安全な商売です。利益は低いですが、この安全な部分が、長くやってこられた秘訣かもしれないなと、今回のコロナでとくに感じました。
われわれは本屋と雑貨店、両方やっているので、雑貨店が閉まったときは開けている本屋にものを運んで、とにかく売れるものはそこで売ろうと舵を切りました。
4月はじまりのカレンダーは、緊急事態宣言が明ける6月になったら定価では売れない。なので、本屋に移せてよかったです。
本屋は荒稼ぎしない商売ですが、それが信頼につながって、息長くやってこれられたのかなと思います。
その薄利がつらくて雑貨店をはじめたら、ここにきて雑貨店に足を引っ張られているという状況なんですが(笑)
コロナが収まればまた、雑貨店が助けてくれるようになるんです。
――東京では、街の本屋さんがどんどんなくなっていっています。
それは、不動産価値の問題なのかなと思います。
坪効率の問題で、1坪で何万円売るか。本屋さんは、月10万円が平均なんです。100坪で月1000万円の売り上げが平均。東京は土地が高いので、不動産価値と売り上げが合わなくなってきているのかなと思いますね。
これからの本屋さんは、家賃の高い駅前を離れて、住宅地に寄っていくんじゃないでしょうか。
悲しい話ですが、自前の土地で本屋をやめて、コンビニさんに貸しているというところも増えてきました。本屋さんは委託事業なので、やめると全部お金になるんです。かかるのは解体費だけ。
祇園界隈の知り合いの本屋さんがやめるというので「なんでやめますのん」と聞いたら、「本屋をやめてくれたら月の儲けの2~3倍で借りるとコンビニが言うんや。それは貸すやろ」と言われて。がんばって商売するより、奥で寝てたほうが儲かるんです。それは貸しますよねと。
本屋はつぶれているというより、やめているというのが現状かもしれません。
こんなご時世なので、テナントに出店しませんかというお話はありますが、家賃はとても安いです。最初はからかわれているのかと思ったくらい。
コロナで本屋には人がくるのがわかったから、集客のための店が欲しいみたいです。
――いざとなったら、人は本屋さんを求めるのでしょうか。
今回のことで、特にそう感じましたね。2020年の2月後半~3月くらいから、本屋に人がくるんです。学習参考書を買って、子どもに家でやっておいてと渡す、そんな需要があることを肌で感じました。
でも、2020年5月くらいはパートさんに怒られましたね。お客さんがめちゃくちゃ多くて危険やないかと。ご主人は在宅勤務に切り替えているのに、奥さんはお店に立っているんですからね。お菓子を持ってパートさんに御礼に行ったりしました。
それくらいの、書店のニーズを感じました。
街の本屋さんを地域の灯火に
――多くのお店が閉まっている状況で、商店街の灯火を感じます。
街の本屋はそうあるべきですね。
町のよろず相談屋として、こんな困りごとならあの本にあったかもと言えるような本屋になれるといいなと思います。
このお店は、その絵本版みたいなところですね。
――お話に、本屋さんの希望を感じます。
あかんもんには目をつむって、プラスマイナスでプラスになればいいと思います。あかんもんを直すのはしんどいですよ。
ここも実質、週4日で、11時から16時までしかやっていません。来てくれるお客さんの時間に合わせている感じです。最初は週6で営業時間も長かったんですが、人がこないんで。
住宅街で、18時からママは夕飯を作っている時間。じゃあ営業時間を短くしようということになりました。
――読者へのメッセージをいただけますか? ここにきたらどんなことが楽しめるか、など。
根っからの地元民なので、背景も含めてなんでも聞いてください。
町家が好きな方はきっと、人間味とか、味わいがお好きなんだと思うので。よそから来た人じゃない分、そうした地元の人間としてのお話はできると思います。
全5回連載のご愛読、ありがとうございました!
本コラムは今回が最終回です。
※4回目はこちら。
\絵本カフェMébaéはこちらに掲載!/
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川口葉子(かわぐち ようこ)
ライター、喫茶写真家。全国2,000軒以上のカフェや喫茶店を訪れてきた経験をもとに、多様なメディアでその魅力を発信し続けている。
著書に『京都 古民家カフェ日和』『東京 古民家カフェ日和』(世界文化社)、『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『東京の喫茶店』(実業之日本社)他多数。