イノセントデイズ
「よびすて」あたりから偉い大人たちによって天界から現世に引きずり降ろされがちなSexy Zoneの不遇を嘆き続けている私であるので、今回の「イノセントデイズ」発売に伴う「等身大の」「リアルな」というキャッチコピーを目にするたびに落胆と辟易を繰り返していた。その後実際に発売され手に取って聴いてみてもそのイメージが覆ることはなかった。確かに"良い曲"ではあるけどSexy Zoneに歌ってほしい曲と良い曲というのは全く別の次元にあるものだし、今のSexy Zoneが歌わなきゃいけない曲ではなかったと思う。文句があるなら黙って去る、というのを信条にして生きてるけど、Sexy Zoneの可能性を信じているからまだ去りたくないよ。ただ事務所の方針とつくづく合わないってだけで。まぁこれも広義でいうと彼ら自体に対する立派な文句なんでしょうが。
きっと昔の彼らだったらこの広い世界の中で君と出会えた「季節」じゃなくて「奇跡」だったのだろう。今のSexy Zoneにとって「君」は奇跡という超理論的な巡り合わせの中じゃなくて、季節という今ここで確かに肌で触れて確かめられる現実の中にいる。私はいつもアイドルの「今ココじゃない」感に恋をして夢を映しているから、突然現実に鎌首をもたげてやって来られるとひどく動揺してしまう。だからお願いだからコンビニの袋なんてぶら提げてないでよ!みんなはいつまでもリップクリームとハンカチがちょうど収まるくらいの小さなポシェットだけ持っててよ!あと「それでいいさと憂鬱も愛していこう 僕なりの現実を」というフレーズに岡崎京子のGIRL OF THE YEARのラストの「相変わらず退屈なままなんだけど なんにも夢中になるもんなくてまだ見つからないけど それでいいや と思える強さと勇気が欲しい」というセリフを思い出した。憂鬱や退屈は受け入れるより打開するほうが華やかだし明るいし世間好きされるけど、それを受け止めて飲み下すことこそが本当の強さだよなぁと年を取るにつれて分かるようになった。そういう認識が自分の下地にあったから、ああもうSexy Zoneもそういうフェーズに来たのかぁと寂しくなってしまった。でも勝利くんが「そろそろベイビーロマンチカみたいなキラキラした曲をシングルで出したい」って言ってるのを聞いてこのモヤモヤはいくらか成仏されたのでもうこの話はやめます。
MVも見たけど最後に彼らの住んでる地名が分かった時「いや鎌倉から東京かーい!そんな距離ないやんけ!」と思わずズッコケてしまった…。だって神戸から大阪くらいの距離でしょ?鎌倉から東京って。そんな一世一代の決意なのか…?距離の問題じゃないのかもしれいないけど。あと健人くんだけが働いてる設定のようだけど、どんな仕事してたら育ちざかりの男4人を1人で養えるのだろう。絶対塾講師だけじゃないよね…と邪推するなどした。
あとイノセントクイズ王で唯一小銭を拾った健人くんを見て「嬉しい」ってこぼしたマリちゃんに思わず首をブンブン振って全力で同意した。健人くんの健人くん性が、他でもない健人くんによって発揮されて清潔に守られていることが私も嬉しかったよ。