愛してると君になんて伝えていたの?
中島健人くん、26歳のお誕生日おめでとう。このところ暗いニュースばかりだったけど、あなたの生まれた3月13日だけは目に入るもの全てがきらきらと光を放ち、何もかもがまばゆく輝いていた。3月13日にオープンした近所のカフェも、スターバックスの新作のバタースコッチも、何もかもがあなたの生まれた日を祝福しているように見えた。"好きなアイドルがこの世に生まれた日"というただそれだけで、地球を抱き抱えて走りたいほど愛おしかった。愛じゃ地球は救えないかもしれないけど、その地球の片隅で生きるひとりの平凡な人間は救うことが出来る。2020年3月13日は、いつもの3月13日より殊更そう強く感じた日だった。
25歳の健人くんは、24歳と比べるとどこかゆったりとして、そしていきいきと楽しそうだった。新元号「令和」の到来を誰よりも心待ちにし、PAGES横浜公演では微笑ましいほどのドヤ顔で「令和」を掲げて登場したこと。札幌公演でシルバーのカラーワックスで髪色を変えたことに端を発し、ゴールド、グレー、ブラウンと、冬に至るまで様々な髪色でファンを楽しませてくれたこと。本当は札幌限定のシルバーヘアーだったはずなのに、好評だったことが嬉しくて、ツアーが終わるまでシルバーを続けたこと。きっと同年代の人よりも早く大人になることを余儀なくされてきたであろうあなたが時折見せる、くすぐったいまでの無邪気さや純粋さを、心から愛おしく感じます。愛情を贈ることはもちろん、受け取ることにも照れや衒いや恐れがなく、いつも全力で真っ直ぐなところ。これはあなたをあなたたらしめる象徴のようであり、そしていつも「そうやって生きれたらな」と、少しの感傷を伴った羨ましさを覚えます。
2019年12月、あなたは2年間続けてきたゴチを卒業しました。あなたがどれほどこの番組に時間を、精神を、魂を注いできたのかを痛いほど知っていたから、クビの宣告はあまりにつらくて悲しくて、気が付くとテレビを睨みつけながら泣いていた。ツイッターのトレンドはあなたがあまりに美しく泣くものだから、「もらい泣き」の文字が踊ったけれど、私の涙は決してもらい泣きではなかった。こんなにも才能に恵まれ、その上努力も怠らないあなたがアイドル界、ひいては芸能界で一番になれないのなら、そんな世界は世界の方が間違っている、と人が聞いたら呆れられそうなことを大真面目に思っています。健人くんの努力が報われない世界で、一体他に何を信じろというのだ。私はずっとあなたのことをひとりの他人として応援しているつもりだったけど、いつしか「私自身の希望」をも重ねていたのだとあの日気付いてしまったのだった。自分でもゾッとするほど重いオタクになってしまったものだと途方に暮れたけれど、それでもどうかあなたを好きでい続けることを許してほしい。
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2月に発売されたアルバム『POP×STEP!?』に収録されているTokyo Hipsterという曲の中にこんな歌詞がある。
きっと健人くんはたとえ石器時代に生まれていたとしても、手を尽くして「愛してる」を伝えていたであろう。一方で、有り余るほどに言葉が溢れている現代でも、「愛してる」のメッセージは正しく伝わらないことがままある。そんな時代でも、そんな時代だからこそ、健人くんはいつも真っ直ぐに、誠実に、実直に、愚直に言葉で愛を伝えてくれる。25歳も毎日のKTTの更新、ありがとう。
26歳の1年も、あなたが愛情を伝えたい!と情熱を燃やせる人やもので世界が溢れますように。そして同時に、たくさんの人からの土砂降りの愛情があなたに絶え間なく降り注ぎますように。
26歳、おめでとう。