deleteCが支援する がん治療研究の選考について【2022年度版】
deleteCでは「みんなの力でがんを治せる病気にする」ため、毎年、がん治療研究を推進する医療者・医学研究者を対象に、公正に公募をおこなっています。そして毎年2月4日ワールド・キャンサー・デイの頃に「deleteCーHOPEー」として受賞者を発表し、寄付・啓発をおこなっています。これまで、6名の医師・研究者に寄付をお渡ししてきました。そこで、その選考基準・選考プロセス、そして、deleteCが選考された受賞者を応援し続ける理由について、ご説明します。
(1) 公募選考の基本的な考え方
deleteCの公募選考の特徴は、「みんなの力でがんを治せる病気にする」ことにつながるがん治療研究を選考することにあります。「がんを治せる病気にする」ことに、科学的根拠があり論理的なテーマであることに加えて、応募者がどれだけ情熱をもっているか、deleteC/一般市民・社会とのコミュニケーションによる寄付や啓発が活きるテーマか、などについて、選考基準・選考プロセスひとつひとつを大事にしながら、公募活動をおこなっています。
また毎年の公募選考の結果や国内外がん治療研究の状況を振り返り、次年度の公募方針(選考基準・選考委員・プロセスなど)をdeleteCで議論し、よりよい公募となるようブラッシュアップをおこなっています。
(2) 2022年度の選考基準
「がんを治せる病気にすることに向かうテーマか?」にこだわり、2022年度は「科学的根拠・論理性」「実行可能性」「がんを治せる病気にすることにつながるインパクト」「応募者とdeleteCが共に社会に対して研究意義を啓発したいテーマか」などについて、書類・Web面談により、選考します。
1) 科学的根拠/取組みの論理性 :研究テーマが「がんを治せる病気にする」ことにつながる内容であり、課題設定やその解決手段などが、科学的根拠に基づき論理的妥当性があるか
2) 実行可能性:研究体制や準備状況などから、研究の遂行・完遂および目標達成への実行可能性が高いかどうか
3) インパクト:研究の目標達成によって「がんを治せる病気にする」ことにつながるインパクトが大きく、患者・社会に対して価値をもたらすかどうか
(※インパクト(アウトカム):対象疾患患者数、生存率向上、QOL向上、既存治療の有無など)
4) 選考応募者とdeleteCが共に社会に対して研究意義を啓発したいテーマ:がん治療研究の意義を広く訴えていくために、応募者とdeleteCが共に研究意義に関して一般の方への理解浸透を進めることに意義を感じるテーマかどうか
(3) 選考委員
選考委員は、①がん治療研究に高い専門性をもつ選考委員(医療者選考委員)と、②一般市民・社会的な視点をもつ選考委員(企業選考委員)、③deleteC選考委員から構成されています。
① 医療者選考委員
医療者選考委員は、国内外の最先端のがん治療研究分野で活躍される医療者や、がん患者視点で広く政策・啓発活動をおこなう専門家などから構成されています。応募テーマは、医療者選考委員により、選考基準に基づく書類評価および書類選考会を経て、絞り込まれます。
(以下、五十音順)
・上野 直人先生 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター・乳腺腫瘍内科部門 教授
・大津 敦先生 国立がん研究センター東病院 病院長
・桜井 なおみ様 一般社団法人CSRプロジェクト 代表理事
・坪井 正博先生 国立がん研究センター東病院 呼吸器外科長
・西原 広史先生 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット 教授
・藤原 恵一先生 埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科 教授 包括的がんセンター長
・朴 成和先生 東京大学医科学研究所附属病院 腫瘍・総合内科 教授
②企業選考委員
企業選考委員は、毎年の寄付・協賛活動に大きく貢献してくださった、一般市民・社会的な視点をもつ企業から構成されます。
③deleteC選考委員
deleteC代表理事、寄付・啓発活動に携わるメンバーなどから構成されています。deleteCのメンバーのバックグラウンドは様々ですが、公募対象の研究に何らかの利益相反が生じうるメンバーは選考委員とはなりません。
(4) 公募選考プロセス
募集期間は1~2カ月程度をもち、まず応募テーマの書類選考をおこないます。書類評価結果に基づき、書類選考会を開催し、選考委員により候補テーマを絞り込みます。その後、Web面談をおこない、最終選考委員会により寄付・啓発テーマの選考を決定します。