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deleteC 2021年度 受賞者による研究の進捗共有とメッセージ

deleteCでは、「#deleteC大作戦」期間中の9月の毎週土曜に、Xspaceで「deleteC サタデー【デリサタ】 ~deleteC大作戦2023『みんなの力で、とどけナイト』~」を配信しています。9月16日の配信では、2021年度受賞者のお二人をゲストにお迎えします(配信URLはこちら)。そこで、お二人の研究内容、deleteCによる選出理由をご紹介し、お二人から応援してくださっている皆さまに研究の進捗とメッセージをお届けします(2023年9月掲載)。

【2021年度受賞】研究テーマ、deleteCによる選出理由

近畿大学 医学部 腫瘍内科部門 医学部講師 川上 尚人さん

・研究テーマ:MSI-H胃がんに対する1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ併用療法第II相試験
・deleteCによる選出理由:医療者の選考委員の先生方から科学的根拠に基づく試験として、科学面と実行可能性において高く評価されました。研究遂行にあたり、パッションが不可欠な中、ボランティアでサポートしてくれている協力機関に対してなんらかのフィードバックをしたいという先生の強い気持ちをdeleteCの寄付金がサポートするのであれば、研究の着実な遂行、もしくはスピードアップにつながることが期待できると考え、deleteCとして応援することを決定いたしました。
・寄付金額:300万円

・研究紹介動画

国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科/臨床研究支援部門 外来研究員 石丸 紗恵さん

・研究テーマ:小児がんに対する国際共同試験実施体制の構築~ドラッグ・ラグ解消に向けて~
・deleteCによる選出理由:小児がんのドラッグラグという大きな問題に対して、国際共同試験への参画体制を整備する、日本が常に国際共同試験に参加できる状況を作ることで解決を目指すという具体的な目的に落とし込んで着実に進まれていることが高く評価されました。先生のビジョンの大きさと、そのための目の前の大きな課題に対して淡々とクリアしていく点、次の章に進まれている様子を見てこのまま大きな課題へも突破口を開いてくれるのではないかと実行可能性への期待が高く、deleteCとして応援することを決定いたしました。
・寄付金額:300万円

・研究紹介動画


川上 尚人さんからのメッセージ

「ニボルマブ+低用量イピリムマブ療法」の有効性と安全性を探索する医師主導治験「NO LIMIT試験」に対し、2021年度deleteC研究助成に採択いただき心より感謝申し上げます。
 
それまでは、進行再発胃癌のうち、5%程度にしか存在しないMSI-H(エムエスアイハイ)という特徴をもった患者さんを募集することに大変苦労しておりました。
 
しかしdeleteC受賞きっかけに、多くの方にNO LIMIT試験や1次治療前にMSI(エムエスアイ)を調べることの意義を知っていただくことができました。NO LIMIT試験ですが、みなさまの多大なるご支援により予定よりも早く登録を満了することができました。
 
初回の解析結果を今年10月マドリッドで開催される欧州臨床腫瘍学会(エズモ congress 2023)で報告いたします。この試験は以前から注目されており、海外の先生からも期待の声を頂戴しています。みなさまに関わっていただいた研究がどのような結果で、それがどのようなインパクトを与えることができるのか。ぜひご注目いただければと思います。


石丸 紗恵さんからのメッセージ

「小児がんに対する国際共同試験実施体制の構築」へのご支援、誠にありがとうございます。

いただいた寄付金は、KMT2A遺伝子再構成陽性乳児白血病に対する国際共同試験(Interfant-21:インターファント21)の準備に使用させていただいております。

この試験は、小児がんの患者さんに対して海外では使える薬が国内では使えないという「ドラッグ・ラグ」の問題を解消するために参加している国際共同試験です。オランダをスポンサーに迎え、2022年12月に開始され、現在2名の方が治療を受けています。また、日本を含む他の国々でも試験の準備が進行中です。

日本においては、大阪大学未来医療開発部臨床研究センターに事務局の運営をお願いしました。研究計画書や患者さんとそのご家族向けの説明文書の翻訳と国内向けの補足資料を準備し、大阪大学臨床研究審査委員会での審査を経て、8月21日に承認されました。

今後のスケジュールとしては、薬剤の調達や契約などの準備を進め、2024年初めに試験を開始する予定です。試験が日本国内で開始される際には、「JRCT」というウェブサイトにて詳細な情報を公開する予定です。

皆様からいただいた寄付金の一部は、臨床研究の保険費用として使用されました。今後は、患者の登録状況に応じてモニタリング費用や検査費用などに充てさせていただく予定です。

臨床研究の推進には資金が不可欠であり、deleteCからの研究助成は資金援助だけでなく、応援してくださる方々の顔や声が直接伝わるという特徴もあります。

応援の力は、共通の目標や価値観、想いに基づいて人々を結びつけることができます。私自身もdeleteCを通じて新たなつながりを築くことができました。

deleteCの莫大なご支援に心から感謝し、この大きな活動の輪に参加できたことを嬉しく思っています。ご支援に対し心からの感謝を申し上げます。


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