見出し画像

自転車お伊勢参り(230505)

3年ぶりに友人と同窓会ライド。東海道からの分岐、日永の追分から伊勢神宮まで18里、72キロ。余裕カマしてジーンズにサファリシャツという自転車散歩モードで参加。日焼け止めという意味では正解だったが若干なめすぎた。ピーカンの空のもと乾燥した爽やかな風が気持ちいいわ。最高のサイクリング日和

四日市から旧東海道を南下していくと日永追分で鳥居が現れる。ここから伊勢街道ねって直感的にわかりやすい表示だ。市街地を抜けると本格的な旧街道の始まりだ。 1.5車線の街道沿いにずらりと軒を並べる格子窓の黒っぽい古民家。街の入り口にはクランク状の枡形。現代のシケインが設置され、高札場跡、本陣、脇本陣、旅籠、問屋、木戸、常夜塔などの付帯設備が並ぶが、伊勢街道は大名が通らないためか、おえらいさんの宿泊施設の本陣、脇本陣はなかったよねと後で気づいた

前半戦、四日市~鈴鹿~津まではあまり見どころなく淡々と街道をたどりサイクリングに集中する。県庁所在地の津は地方都市という感じだが、ゴールデンウィークの書き入れ時にシャッター街と化した城下町がうら寂しい

ライドグルメはラーメンいたろうの津餃子。最近ありがちなグーグルマップの高評価のお店で昼飯時だし観光客が50人ほど並んでいて90分待ちとか結局諦めざるをえないということはまったくなく、ソッコー着席

津ぎょうざとは給食発祥のご当地グルメで餃子5個分の具を直径15センチの一枚の皮に包み込みパリッと揚げたもの。普通の餃子の皮は8~10センチくらいなので大きめの餃子って感じ。餃子というメニューに外れは少なく安心・安定な美味しさ。まぁででもインパクトは少なくふーんで終わっちゃう感じ

ライド続行し松坂の街で観光。石垣の残る松坂城址へ登城。比較的眺望はよくなんかいい感じの地方都市のお城だわ。無理に天守閣を再現しないほうがいい感じの場所だ。三井家創業の地とのことだが特になんかあるわけでもなくコンテンツ的にちょっと寂しい

超老舗、柳屋奉善が天正3年(1575)に開発・販売開始した大ベストセラーおいのとも(老伴)をいただく。モナカの皮に羊羹を流し込んだ和菓子でお伊勢参りの旅の疲れを癒やすパワーエサなんだろうが実際は10分も持たなそう。もともとは東漢の瓦に書いてあったレシピで作っていたので古瓦とネーミングして販売していたが、三井家当主かつ茶人の三井高敏さんが、これうまいよね。永遠にお付き合いできるお菓子だわ。とありがたい白楽天の詩集から名付けた格調高いお菓子だ。ま、一度食っておけば十分

自転車旅を続け、次は斎宮(さいくう)へ。全く知らんかったが、天皇家の一族の娘さんが伊勢神宮のお守りよろしく頼むわと遣わしたようは巫女さん的お仕事。やんごとなき天皇家なのでプチ宮殿が作られその遺跡のあとにミニチュアで再現されているが、実際の遺跡の形とミニチュアの相関関係が取りづらく、どこがどこなのよ?

そしていよいよ旅のファイナルかつハイライト。まず外宮を公式参拝。一般ピーポーは、白の垂れ幕に向かって二礼二拍手一礼。そして最後、まさかのプチヒルクライムに心折れつつも伊勢神宮内宮の表参道着!どこからこんなに人が湧いてきたんだとばかりのメチャ混み。意外なことに若い衆が大半だ。無事に内宮の参拝も済ませ、ミッションコンプリート。もよりの五十鈴川駅へ。この時間には四日市に戻ってとっくに解散しているだろうと思っていた17:56発の電車に乗り込んだ

いまいちよくわからなかったので家に帰って復習した。なぜ伊勢神宮がありがたいかというとイザナギさんとイザナミさんをご両親に持つ天照大御神(アマテラス)をお祭りしているんだって。そのアマテラスさんから五代後の孫、宮崎県ご出身の来孫の神武天皇があたりかまわずカチコミかけまくって縄張り拡張し、奈良盆地一帯をシマとして抑えたところで天皇一家の旗揚げしたのが現在の皇室につながっている

要は始皇帝ならぬ。始天皇って感じなんだね。その記念日がBC660年2月11日、建国記念日だ 第10代崇神天皇(BC97-30)が、天照大御神を皇居外のふさわしい場所にお祀りしたいと、娘さんに伊賀、近江、美濃と旅をさせついに伊勢のこの場所がいいんじゃない?と五十鈴川の川上にお宮を建て御鎮座されたんだって

わかりやすく言うとアマテラスさんをあまりに近くでお祀りしているとウザいこともあるから体よく追い出したんだね。アマテラスではなく僕を見て!って感じなんだろうね そのため天皇家のご先祖様をお祀りする施設のため基本的に天皇家御一家専用。一般ピーポーは、別に来んでもいいよというスタンスなのでわざわざ遠くからお参りにきても白い布(みとばり)に向かってお辞儀させていただくだけの門前払い

やっと意味がわかったよ。俺ら勝手に人んち押しかけてありがたがっていたってわけ。人んちとはいえ、日本の8万社ある神社業界の総本店を謳っていて、神社の中の神社でもあり立ち位置がややこしい

八百万の神々で最高位に位置しているアマテラスが天皇家のご先祖でもあったので、特に明治維新後、天皇=神の公式が成り立ったわけね。なのでこういうややこしいことになった

でポツダム宣言受諾後、ごめん俺やっぱ神じゃないんだわ。と人間宣言されて、1946年5月3日施行の日本国憲法の第1~8条で天皇について再定義された。戦争放棄が第9条、国民の権利義務が第10条~という順番

やんごとなき人々もそれなりに大変なんだな 一生に一度はお伊勢参りの聖地巡礼の旅を無事に終え満足度の高いライドでございました。訪問して初めてその土地の歴史を知る、興味が出て知らなかったことを知る。これも旅の醍醐味だよね

いいなと思ったら応援しよう!